若者よマルクスを読もう 内田樹x石川康宏 かもがわ出版 2010

内田さん(1950−)はすでにご自身の立ち位置を確固たるものにしていて、多くの著作がベストセラーとなっている。今回の書は同じ職場の石川さん(1957−、経済理論が専門と書かれている)との交換書簡という形式でマルクスを若者向けに紹介するというもの。
ターゲットは高校生だと。マルクス(1818-1883)の「マ」の字も知らない人達が興味をもってくれるようにと。
ほぼ石川さんとほぼ同じ歳の理系おやじとしては、本当にマルクスの「マ」の字も知らない人生を過ごしてきてしまった訳で、内田さんが高校大学時代と読み耽ったマルクスを理解しようと努力はしてみたが、一度だけの本の海での遊泳では理解できないというか難しいですね。
石川さんの熱心な筆力は感じるのですが、僕には残念ながら難しいというか、あまりに引用部分が多く長いように思いました。どんな歴史的背景のもとにマルクスが資本論や共産党宣言を綴ったのかを示したいのでしょうが、やはり一度読みではダメのようです。
高校生や20代の頭の柔らかいうちにやはりマルクスを読んでおかねばいけなったのでしょうね。


若者よ、マルクスを読もう (20歳代の模索と情熱)
若者よ、マルクスを読もう (20歳代の模索と情熱)
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