論争 若者論 文春新書編集部編 2008
図書館本

時代を歴史の中でクリップしておくには良い。10年、20年して読み返してみることに意義が見出せるかもしれない。
いずれにしても、子供は自然(養老孟司曰く)であり、その自然を手入れするのが親や社会である。とかくステレオタイプに「今の若い者は」という爺さん達は、昔同じ事を若い時に言われていたのである。すなわち今の若者が住む世界は若者の親や爺さん婆さん達が構築してきたのである。教育の必要性はいつの時代も説かれるし、金と労働の問題も議論の種として蒔かれているだろう。そんな大人の自己批判抜きでの若者論も散見される。
また、秋葉原の無差別殺人事件を社会病理として捉える事が果たして正しいのか否か僕には分からないのである。以前、池田晶子が酒鬼薔薇聖斗の事件を民俗学者から見ると猟奇的事件では「隣村に鬼が出た」という文脈で説明できるのに民俗学者はそれを口に出さないと書いていたと思う。すなわち、人間ではない鬼(人間では理解の範疇を超える存在)が起こした事例であると。だから社会病理と捉えて解析や分析することは果たして正しいのか、意味があるのか。

第1部 希望か、甘えか
「丸山眞男」をひっぱたきたい―31歳フリーター。希望は、戦争。(赤木智弘)
ベタな時代を生き抜く素人芸のチカラ(松原隆一郎+太田光)
「承認格差」を生きる若者たち―なぜ年長世代と話がつうじないのか(萱野稔人)
若者をインドで鍛錬させよ (堀紘一)
去勢された若者たちに告ぐ (宮嶋茂樹、野口健)

第2部 貧困か、自由か
戦後初めて、若者が路上に放り出される時代(佐藤優、雨宮処凛)
「意欲」を持てる社会をどう作るか(山田昌弘、三浦展、門倉貴史)
新庄、中田はなぜ引退したか―「三年で辞める若者」に通じる平成的な労働観(城繁幸)
「まったり」生きる若ものたち(宮台真司)

第3部 絶望か、殺人か
「臆病な殺人者」加藤智大と酒鬼薔薇聖斗(高山文彦)
若者よ、殺人犯を英雄にするな(重松清)
アキバ事件をめぐる「マルクスもどきの嘘八百」を排す(仲正昌樹)
「若 者論」ブックガイド 若者論の四〇年(浅野智彦)


論争 若者論 (文春新書)
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