日本の洗濯 黒川清 板垣雄三 猪口孝 田辺功 西村書店 2005
図書館本

黒川さん1936年、板垣さん1931年、猪口さん1944年そして朝日新聞の田辺さん1944年のお生まれ。 黒川さんは本書が出版された時に日本学術会議会長、その後内閣特別顧問なども勤められた。
黒川さんの主張はまさにシンプルであり、常に「イノベーション」を若者に訴えかけている。そして日本の未来を造るのは若者であると。それは実はいつの時代も同じではあるのだが、現在の内向き偏向的な世の中(おそらくご自身と同じ年代やその下の団塊の世代への批判だと思うが)を非常に憂いている。そして
板垣さんはイスラームの研究者として、日本の歴史教育の問題点を的確に指摘していて面白い。そこにキリスト教的欧米中心の歴史を実はイスラーム世界という文脈から見ると、違う世界がキラキラと見えてくる。そして辺境として日本が、実は別の見方をすれば西欧との近縁性すら存在すると。そんな歴史を俯瞰すると僕らの勉強した教科書は一体なんだったの?という空しさを感じてしまう。
猪口さんは国際政治学という視点から日本の現状をやはり憂いている。日本の方向性をどのような舵取りで決めていくのだろうか気になる。
学術会議をタコツボ学者の集まりとか、国の研究費の浪費と言い切った黒川さんの思いを若い研究者は心強く思ってイノベーションに邁進してもらいたいものである。

表紙の「日本を今一度洗濯したいと申し候 by 坂本龍馬」 いいですね。

2010年3月にガーナで黒川先生とはお話する機会があり、本書の通りアグレッシブにイノベーションを語り、日本の官僚制の悪いところを指摘してました。74歳には全然思えない(笑)
結局団塊の世代周辺が問題なんじゃないのかな。

日本の洗濯 考えるエッセンス
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