<眠り病>は眠らない 山内一也、北潔 岩波科学ライブラリー 2008
図書館本


睡眠病という病気がトリパノソーマという寄生虫で起こる。これは人と動物(牛や馬)に感染する事から人獣共通感染症と言ってもよいのかもしれない。3種類のトリパノソーマにより病型が異なる症状を示すそうだ。ツエツエバエが媒介、アフリカ(特にサハラ砂漠以南36カ国)で5500万人が感染の危険にさらされ、毎年4万人の新規患者が発生し、常時30万人の患者が存在していると書かれている。そしてこの病気が他のネグレクティドディディーズ(顧みられない無視される疾病)と同様に貧困にリンクしていることを示している。
またこの病気の研究の歴史はまさに微生物学研究の歴史でもあり、コッホや北里、シュバイツアーの名前なども登場する。そしてコッホが来日した1908年の講演はなんとこの眠り病がタイトルであったそうだ(上野の音楽学校講堂で挙行)。
そんな歴史の文脈の中で、現在、日本発の薬が睡眠病の特効薬として評価されつつあると結んでいる。寄生虫疾患の薬としては北里研究所の大村先生が発見したイベルメクチンがオンコセルカ症の治療薬として多大な貢献をしている事はすでに良く知られている。


ちなみに山内先生は一時期おいらの指導教官、北先生は先日ガーナでお会いして話をしました。
大村先生は故郷韮崎の生んだ大研究者であり、大村美術館の館長でもあります。

“眠り病”は眠らない―日本発!アフリカを救う新薬 (岩波科学ライブラリー)
“眠り病”は眠らない―日本発!アフリカを救う新薬 (岩波科学ライブラリー)
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