厚生労働省崩壊 木村盛世 講談社 2009
副題:「天然痘テロ」に日本が襲われる日
図書館本

後味の悪い書である。
誰しも会社や組織、そして行政や社会に対して不満や憤りはあるであろう。
出来る事なら極力、冷静沈着に問題を咀嚼して解決案を提出するのが役人ではないかと思ってしまう。いわゆる医系技官というキャリア待遇のポジションでやる気満々で厚労省にお勤めされたのであろう。だが、努力がことごとく潰される、そして左遷されると筆者は書く。読んでいて(全編を通じてであるが)、ご自身の優秀さを盛んにアピールしているのが不満への糸口なのだろうか?
たとえば、「アメリカの超一流大学からの合格通知が届いたとき、まだ娘たちは首もすわならいくらいの赤ちゃんでした。。。。」、 家が代々続く医師の家系、一流のアメリカ人研究者の友人、等々。
基礎医学研究と比べて公衆衛生学という分野は多くの人との係わりの中で物事を進めて幾分野であると想像するが、筆者の優秀さが日本では開花できない理由は組織にあるのか、それとも本人にあるのかは本書からだけでは理解出来ないのである。
また、天然痘テロに関してであるが、当時の致死率をそのまま現代に置き換えることはまったく正しくない。対症療法もある訳で、単に恐怖を煽るだけである。

厚生労働省崩壊-「天然痘テロ」に日本が襲われる日
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