渓ひらく―"参勤交代"考 (天野礼子の「環境と公共事業」)
天野礼子氏の初期の著作はそれなりに評価している。
だが、昨今の林野庁とつるんだ新生産システムなどはまったく評価にあたいしない。さらに、養老さんや立松和平さんなどの著名人を旨く利用して、本来の概念を変えようとしている。

今回のこの話は酷い。
養老さんの参勤交代論は大人と子供の両方に当てはまるわけであるが、レジャーや遊びの事ではない。
脳化社会、これを都市化とも言うが、頭の中だけで考えて事を進める社会の未来を危惧しているのだ。だから「自然」である子供に農作業等の自然の力で動いている環境を経験させ、官僚らにも脳化した思想を転換することを訴えているのである。

参勤交代論は遊びではないのである。

故人の今西錦司や開高健の名前を旨く利用しているに過ぎないのだ。