ウイルス・ハンター エド・レジス 渡辺政隆訳 早川書房 1997

原題:VIRUS GROUND ZERO 1996

1995年ザイール共和国 キクウィト市でのエボラウイルスによる出血熱アウトブレイクの記録、さらにCDCP(アメリカ アトランタにあるCenter for Disease Control and Prevention)の歴史やアメリカの感染症対策に関しても触れている。
1976年のブタ型インフルエンザによる新兵の死亡に端を発するインフルエンザワクチンによる副作用問題(58人死亡、副作用賠償金等に9300万ドル以上と書かれている)等も記載されている。
今現在もエボラウイルやマールブルグウイルスが何処から来たのかは分かっていない。ただ間違いないことは人類に対する脅威には成り得ない事だ。
医学だけでなくあらゆる学問との共同作業により感染症の原因が突き止められ、あるものはワクチンが利用可能になった。これまでに撲滅された感染症は天然痘だけである。撲滅させることが良いのか、ウイルスや細菌と共存しながら感染しないような対策を講じるのか良いのか、あらゆる角度から検討せねばならないのだろう。
そのためには、地道な調査研究が必須であることが本書からも滲み出ている。


ウイルス・ハンター―CDCの疫学者たちと謎の伝染病を追う
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