初出誌 「諸君」「文學界」(1991−1994) 単行本 1995 文藝春秋

もう20年近く前の養老さんの時事ネタエッセイ。その時々の世の中の流れの中に浮き沈みする話題を的確に咀嚼し理解の仕方を示しているようでもある。
国際水準の話しなどは、まさに内田樹さんの近著「日本辺境論」と同じだ。
木を切る、のお題では、今西錦司さんが亡くなって、今西の森(ご自宅)の相続問題での自然保護問題、そしてご自身の住む鎌倉の同様な問題を指摘する。
差別問題では、穢れとホトケ(死体)、清めの塩の話し、筒井康隆氏の断筆の件
登校拒否に関しては、学校と親の問題を指摘、野育ちのガキは身体は疲れても、脳は疲れようがない。外で得られない事を学校でやるからガキは学校に来る、そして友達に会えると。
狩人の系譜:安全、計算、予想。そこに麻薬が流行し、狩人憧憬が生じる。狩猟という明確な目的はある。しかし現場で何が起こるのか、それはわからない。結局それが人を引きつける。
エイズの未来の項で養老さんが英語論文を発表しなくなった理由を書いている。興味深い。
まだまだ付箋紙を付けた文章があるがこの辺で。
一か所だけ?の部分
江戸時代までの日本では九割の人口が農民だったとされると、日本と自然という文章で書かれているが、これは網野善彦さんの本を読まれてない証拠なのかな?


続・涼しい脳味噌 (文春文庫)
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