一竿有縁の渓 根深誠 七つの森書館 2008

月刊誌「弘前」、雑誌「渓流」等に掲載された文章。1997−2008
根深誠(1947− )の釣りにまつわるよもやま話。
一竿有縁は故佐藤垢石が津軽の須藤均治のために色紙に揮毫したものだそうだ。
根深さんの味わい深い釣行の必要条件とは、「まず第一に放流釣り場でない、天然魚が棲んでいる渓流であってほしい。そこでキャンプして焚火を焚き、なにがなんでも酒を飲まねばならない。この場合、飲みすぎて酩酊し、不謹慎な言動をとらないとも限らないので、他人に迷惑を及ぼさないような人煙耐えた渓流がいい。言うまでもないことだが、スギの人工造林地の渓流などは興ざめするので論外」 まったく同感である。
“木村英造と会う”(第4章 釣り旅の周辺、月刊「弘前」2000年10月号加筆)での根深さんと木村さんの会話が印象深い。山本素石の事、淀川下流域の絶滅寸前のイタセンパラの事、そして木村さんが淡水魚保護協会を解散し引退してから、自らパソコンを練習しホームページを開設してイタセンパラを守ろうとしていること。木村さんが根深さんに言う「ホームページなら1人でもやれる。これが人生最後の闘いになるだろう。もう長くはない。できれば、その間にもう一度君に会いたいな。君は無理をするな、ともかく70歳まで生きろ、そうすればまとまった仕事が出来る」

根深さんの文章はいつも軽い様で奥が深い、それはおそらく現場を知っていることと、膨大な読書量なのだと思う。その痕跡は文章のいたるところに何気なく現れているのだ。


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