森林はモリやハヤシではない  四手井綱英 ナカニシヤ出版 2006

付箋紙だらけになってしまった一冊。
精英(エリート)樹のミス。
すぐれた森とは、少なくとも針葉樹と広葉樹の二つが適度に混交し、樹齢はいずれも著しく不斉で、大中小径木が適度に混生しているものらしい(ドイツ)
皆伐人工造林一色に逆戻りした日本。
森林生態学を林学、林業における最重要な基礎学とした考え方を四手井さんは堅持。
海岸の砂丘で緑化が成功しても、それは砂漠の緑化には使えない。(真の砂漠に植林はありえない、植樹は水を生産するのでなく、水を消費する)
スギやヒノキの根は下に張らずに横に張る(集中豪雨による被害の原因)
遷移(サクセッション)理論への疑問。
同齢、単純林の造成による多様性の破壊。
皆伐人工造林は民有林に限定し、かつ土壌の良い所だけ許可。国有林は択伐天然更新だけを行うべき。既往の人工造林は、生育のよい所だけを選んで保有し、その他は放置して天然林に返した方がよい。
まだまだ備忘録として書き込まねばならないことばかり書かれている。

後記を奥様の淑子さんが書いておられるが、書かれた2006年3月時点で四手井さんはかなり危険な状態で入院されていたようである。なので奥様も晩年という言葉を使われているのであろう。しかながら2009年3月現在、「もりやはやし」ちくま学芸文庫の解説で渡辺弘之氏は現在でも四手井氏はお元気でエッセイなどを執筆していると書かれている。

日本の森が、世界の森がいつまでも「深い林」でありますように。


森林はモリやハヤシではない―私の森林論
森林はモリやハヤシではない―私の森林論
クチコミを見る