2007年クリタ舎「確かに生きる 10代へのメッセージ」に加筆

アルピニストの野口が生きてきた道程。
いじめられ、いじめ、落ちこぼれ、そして植村の本で登山を始める。
そこには多くの人の出会いがある。すなわち他者との関係性の中で自らが
育てられていく過程。
登山、それも人を拒む様な高度の山々へ生死を賭けて挑む、そして仲間や
シェルパの死、シェルパの村の子供たちの貧弱な医療体制による死を
目の当たりにする。
エベレスト清掃に絡む橋本龍太郎氏とのエピソードは、男、橋本龍太郎を
見せつけてくれるし、自分が若干係わりをもった橋本氏となんらブレることのない姿である。
野口氏の真摯な態度が自然と回りの人々を魅了するのであろう。そして
その影には想像もつかない努力と苦労があると感じる。
高校時代イギリスの邦人高校を停学になり、一時期日本で右翼団体に入って演説した下りは面白い。そして当時イエメン大使であった父親がそれを
許し辞表を用意していたという。
そんな父親にならねばならないと思ったがすでに遅いのだ気がついた。

10代以外の方も読まれて損はないかと。

確かに生きる―落ちこぼれたら這い上がればいい (集英社文庫)
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確かに生きる―10代へのメッセージ
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