DVD 1500円

1975年頃にみたのだろうか?映画館で観た記憶があります。そして人生の中で最も感動した3本の映画の1本でもあります。そして30年を経て再度見ることができました。
やはり素晴らしい映画だと思います。宗教映画なのでしょう。しかし、そこに映し出される自然は宗教の枠を超え、自然に生かされる人間たちを映しています。13世紀イタリア、フランチェスコ教会の創立者の半生を描きだしているわけですが、おそらく富や権威にまみれて、神がすべての人のためではなくなった時代への警告なのかもしれません。それはローマ法王謁見の場面でも明らかでしょう。そしていみじくも法王が自らの神への衷心を誓った若かりし頃をフランチェスコに見出します。さらに、ひばりに神の声を聞いてもよいのだと。
街の心優しき少女クララがレプラ患者(邦訳では皮膚病とサブタイトル)にパンを与えるシーンは、どこか宮本常一の「忘れられた日本人」に出てくる土佐寺川夜話を思いださせます。さらに善根宿という差別なきアジールのような場所。そして宮崎監督のもののけ姫の物語に出てくる蹈鞴場でのレプラ患者のシーンを。
宗教の本質あるいは自然の中でのヒトの本質とは人種も国境も何も関係なく普遍であるのではないのでしょうか。


ブラザー・サン シスター・ムーン [DVD]
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