図書館本

日本あるいは世界を取り巻くITの流れを分かりやすく説明してくれます。
合併やら買収さらには乗っ取り的な企業活動の中で巨大化するIT企業。グーグル、アマゾン、ソフトバンクなどが国境を超えてその活動範囲を広げている。本書では特にグーグルに視点を向けて、これまで自分が考えていたグーグルのイメージは博愛主義的技術者集団が世界平和のためにオープンソースを利用してグーグルアドワーズと言う広告システムで若干の利益を得ながら夢に向かうという感じでした。しかし本書は利益追求集団として(株主の意向を踏まえて)一面もうかがえます。さらには携帯への参入や企業買収をも近未来の枠組みと考えて進んでいるようです。
またITにより、既存メディアにおける広告という文脈が乱れだし、CMや紙媒体による宣伝方法の転換が非常に早い流れの中でおこりつつある。そんな流れの中で日本のテレビやCMと言った旧態然としたシステムが確実に崩壊していく様子が目に浮かんでしまう。
そんな日本を著者は想像しながらも、日本の技術の先端先進性をしっかり最後の部分で書かれています。
すこし安堵して本を閉じた。

グーグルが日本を破壊する (PHP新書 518)