図書館本

小学生向けの読み物。絵も可愛い。
内山さんが36歳の時の作品でもある。
やまめと言う渓流魚を通して人間社会を厳しく、そして時に優しく観察している。森、里、海を繋ぐ川がある。その一つでも荒廃すれば人間と言う生物が生存出来ない。そして多くの生物も死に絶える。
森を荒らし、川を荒らして来た人間が真剣に自然を考えれば、まだ明るい未来があるのだろう。
しかし、ダムの無い二つの河川(四万十川と長良川)と書かれているが、すでに長良川は河口堰というギロチンで川は遮られてしまった。
環境教育なんて大げさな事は言わない。自然が「じねん」であった時代を考えれば人間と自然は折り合いをもって生きていける事を子供の頃から体で感じて欲しいと思った一冊である。
ちなみに池田晶子さんも毎日小学生新聞に連載を持っていて、それが本になっている。

やまめ物語―自然を考える