dd895e33.jpg図書館本

既に映画化されDVD化もされているとの事。DVDを見た知人が泣けた(感動した)との事で原作を読む。
1962年生まれの市川さんの感性は年齢も近い事から非常に身近に感じられる。大きなゴミ捨て場、小学校や中学校での帰宅時のみちくさ、少ないながらも存在する小川や池、そして其処に棲む植物や動物達。
14歳の多感な少年少女の交友、30歳での再会そして。。。
全ての人が通り過ぎる時代、初恋、恋愛、失恋、別離、今は瞬時に過去となり時に忘れ去られる。しかし、忘れようとしても忘れる事のない時代は確実に存在する。二人の男の子と一人の女の子を中心にした世界がキラキラとそして切なく今を過去にしていった。しかし15年後の未来は確実にその過去から創り出される。友情や恋愛だけでなく、親子愛、特に父子愛の描写も物語を大きく彩っている。こんな描写にオヤジは弱いのである。

阿部夏丸さん、川上健一さん、梨木香歩さん、湯本 香樹実さんと共通する温かみがあるけど、市川さん独特の世界も良いですね。

通勤電車では絶対読まない事をお薦めする。
布団の中で号泣である。
そのときは彼によろしく