図書館本

2006年1月から2007年3月にかけて60回にわたりフジサンケイビジネスアイに連載された文章。
国際情勢、特にアジア、ロシアの分析を通して日本の国益とは何かを佐藤さんが忌憚なく示してくれていると思う。佐藤さん自身はいつも右でもなく左でもなく、神は存在してもしなくても良いとの立ち位置から見る状況判断が非常にしっくり自分には思える。そこに外交家あるいは諜報家としての文法があるように思う。北朝鮮の問題はイランと密接に関連するし、英国でのロシア人スパイの殺害事件もメディア報道とは違う視点から考察する。
外交あるいは政治という文脈で動く国際情勢を的確に掴まないと一瞬にして国益などいうものはもちろん、国家という存在も消え去る現実を何気に指摘する。そして第三次世界戦の現実性も。
日本が何処に向かうかなどと言う小さな問題でない、まさに地球規模の外交が求められているのだろう。そう小市民は思うのである。

地球を斬る