図書館本

感想が書きにくい本でありました。
著者は1981年生まれの芸大修士卒。本書はフリーターとして家に居られるにも関わらず自らネットカフェに移動?した31日間の行動記録的エッセイとでも言うのだろうか。
ニートやフリーターと呼ばれる人達は社会情勢の結果なのか?それとも個人としての自由謳歌の一形態なのか?自分には良く分からないのだけれど、もし働かないで生活出来るのであれば(食うに困らないのであれば)それはそれで良いのではないかと思っている。
養老先生も著書に中で、ニートやフリーターの方は平和主義者であると言うような記載があったように記憶しているが、争い事を好まない人々が増える風潮は何処か過去のヒッピーのムーブメントと近似していないだろうか?
著者は金銭的な格差は問題ではなく、文化格差が辛いと書いている、しかしながらホームレスにはならない程度のアルバイトと飢えない生活は可能である。
そんな著者の日記を読みながら、ネットカフェという場所が現代の駆け込み寺ではなく、市場経済主義を正面から受け入れたくない人のある種オアシスにも見えてきた。そして其処に住む人々は実は明日の日本を体現しているのかもしれない。

ネットカフェ難民―ドキュメント「最底辺生活」 (幻冬舎新書 (か-4-2))