図書館本

伊丹万作(映画監督)の「戦争責任者の問題」と言う文章を頭にし現在日本の問題点を佐高さんと魚住さん(最近では佐藤優氏との対談本あり)で指摘する。
伊丹さんの文章は非常に説得力がある。戦後の日本人の多くは戦争責任を軍人や場合によっては天皇に押し付けているが、では地域社会の中で軍事訓練に参加しないものを告発したり非国民呼ばわりしたのは実は殆ど全ての日本国民ではなかったかと。はたして騙されていたのか?
従順で支配されたがる日本人がそこにいないか。
「だますものだけでは戦争は起こらない。だますものとだまされるものとがそろわなければ戦争は起こらない」と伊丹は言う。
佐高さん的には「社畜」という会社の中で家畜化していく日本人に危機感を持ち、無責任さをなんとも思わなくなっていく現代人が流されていく未来を危惧している。魚住さんは共同通信社時代のまさに社畜化していく自分とジャーナリストとしての自分の間の葛藤を正直に語られていると思う。

だまされることの責任