図書館本(これは買わねばなるまい)

第2回掛川哲学塾(1998年)の報告 第1回目のものは「ローカルの思想を創る」として出版されている。
今回の書は多くの地域から報告者のレポートでもあり、地域ごとで取り組みなどが述べられていて興味深い。
掛川哲学塾は、市場経済の支配力を低下させていく新しい人間と人間の関係や自然と人間の関係の創造であり、それを可能にする思想的探索であると内山さんは述べている。
共同編集責任者の鬼頭秀一さんは、いのちと環境の「かけがえなさ」と市場経済と言う題で切り込んでいます。食の問題、自然の問題そして臓器移植の問題など。
山梨県職員の手塚氏は政策形成に必要な思想や哲学を語っています。特に中山間地域における問題点とあわせてあるべき姿を構想します。早川町などの例を引きながら。
その他の方として、住民活動を通してのリサイクル運動を行なう東京の例、(澤田和子)、製造業界や農林業界の方々の報告がある。そして個人的には非常に興味のある分野でもあるのですが、秋月岩魚さんのバス釣りと言う遊びと日本の自然に関する報告です。是非ともブラックバス擁護派の方には読んでいただきたい文章です。ブレない、そして熱い男が語っています。
さらに治水の専門家の大熊さんは「見試し」と言う、近代化以前の国民の目線に合った方法論による土木、治水事業などに関して現在のそれと対比して考察しています。
また当時掛川市長でもあった榛村純一氏は地域における生涯学習や土地利用活用など広範な分野にわたる地方行政の将来を熱く語っています。

市場経済の対抗軸が定まらない中でこのままグローバリズムの流れに身を任せることが果たして良いのかどうかを真剣に考えないと郷土なんていうものはあっけなく消去され、ひいては日本などと言う概念上の地域も消滅するという歴史がまっているのかもしれない。

市場経済を組み替える (人間選書)