茂木健一郎 クオリア日記: ボクたちのくさりがま
茂木さんの解釈は面白いし、上手な表現だと思う。このブログからの引用である。
甲野善紀さんとお話する。
 
 甲野さんの提唱されている、
身体の筋肉を並列的、総合的に
駆使する武術についていろいろ
考えているうちに、ああそうかと
気付いた。

 脳と身体を二項対立的に
考え勝ちだが、むろん脳も
また身体であり物質である。

 それが自然法則に従うシステムである
以上、脳髄とても自由ではなく、
そもそも自由意志があるのかという
問題に直面する。

 脳の中にも当然「身体性」はある。
それは、私たちの精神のembodimentである。

 甲野さんの言われる、単一の筋肉を
マシーン的に鍛えるのではなく、
 同時並列的に柔軟に用いて、
その結果神業的な仕業をするということは、
脳にも当然ある。

 総合的知性とは、つまり、
脳という身体を同時並列的かつ柔軟に使い
こなす、その身体運動のことを
指すのであろう。

 そう気付いてみれば、何だ
そんなことかと思う。

 脳と身体を二項対立的に語る
議論が、一見わかりやすいようでいて
実はうさんくさいものであった理由が
ここにある。