図書館本

かなり気楽に読める(でも深い)、対談をまとめた一作。
基本的には養老先生のこれまでの考え方や主張を阿川さんが絶妙に合いの手をいれながら分かりやすく解説しています。
おそらく以前養老先生が指摘しているのであるが、いくつか気がついた新しい点として、「国語教育で反対語を教えるのは良くない。反対語と思われているのは常に補完語である。内と外、男と女とか。男と女を対立関係として捉えているからフェミニズムになっちゃう」
以前養老先生と対談している山浦玄嗣の聖書を原典から気仙方言訳しなおした話として「愛」には二つの意味がある。神の愛と神への愛、すなわち上からの愛と下からの愛、原典のギリシャ語だと違う単語なのだそうです。
ですから汝の敵を愛せは、山浦さんは、敵といえども大事にしなさいと訳したとか。
日本人に個性はいらない(個は成立していない)と言う説明で、日本人の英語としてイエス、バット(ハイ、でも、しかし、実はこれはNoなんだが)が人間関係を切らないための行動だと言うことで示している。
気楽に読めるのだが、ある部分ではかなり真剣に頭を使わないと理解するのが大変でもある。その辺の事を阿川さんも、あとがきで、養老先生に「わかるでしょ?」と言われた時に、かなり作り笑顔で狼狽したようである。
男女(オスメス)の怪