図書館本

古厩さんは2002年61歳で亡くなられているそうです。
吉瀬さんに紹介された本です。
最近、格差格差と騒いでおりますが、まさに大昔から格差があって、それが表日本と裏日本ではっきりしている事がわかります。
裏日本と言う言葉自体は最近使われないようですが、明らかに「暗い」とかのイメージがあります。その言葉が生まれた背景が種々なデータを織り交ぜて説明してくれます。ここでは裏日本は北陸および山陰を中心に述べています。そして、裏日本と言う言葉が出来た根本原因は国策であったことが明らかです。明治30年以前とその後を比べるとあらゆる面で(地租、稲産出量、人口)裏日本と言われる地域およびそこに住む人々が冷遇された(搾取された)かが分かります。ある種、田中角栄の出現が必然だったのかもしれません。最後の方では原発を取り上げ、現在も続く裏日本と表日本の格差を示されています。
癌で亡くなられたそうですが、環日本海構想などで積極的にアジアとの協調を訴えられていたそうです。
まだまだ理解が十分ではないと思いますので、読み直さないといけない一冊だと思いました。

裏日本―近代日本を問いなおす