このごろ毎年伺う北海道。ここでも人目に付かずに進む川の破壊。
北大や道内の大学には素晴らしい先生方がいらっしゃいます、学と民とでなんとかこれ以上悪くならない方策を考えていただければと思います。

北海道新聞記事より
矢臼別の風蓮川上流 イトウ確認隠す 防衛施設庁98年調査  2006/12/23
【別海】「絶滅危惧(きぐ)種のイトウは確認されていない」として、陸上自衛隊矢臼別演習場(根室管内別海町など)内の風蓮川支流で砂防ダムを建設してきた札幌防衛施設局が、実は一九九八年、現地調査でイトウを確認していたのに、その後同じ主張を繰り返して建設工事を続けていたことが二十二日、分かった。
共産党の紙智子参議院議員の質問主意書に対する防衛施設庁の答弁書で明らかになった。
施設局が民間に委託して行った九八年の調査では、風蓮川河口から五十二キロ上流の西風蓮川との合流点で体長七センチのイトウを見つけた。
ところが施設局はこれまでこの結果を公表せず、イトウ保護連絡協議会の要望に対し「イトウは未確認」と回答してきた。同局は「イトウを見つけたのは演習場外の風蓮川本流だった。場内の支流ではないので、いないと答えた。ウソをついたのではない」としている。
しかし、風蓮川水系はイトウの生息地として有名。道東のイトウを守る会(釧路)の田中明子事務局長は「川を自由に泳ぐイトウに演習場内か外かは無意味。国民の論議を妨げる情報隠しはよくない」と指摘する。
札幌防衛施設局は演習場内の土砂が河川を汚染するのを防ぐとして風蓮川支流に十五基の砂防ダムを造ってきた。七月、支流のダム直下でイトウが見つかり、撤去要求運動が本格化している。

研究者ら「検証不十分」 開発局設置委に要望書 サンルダム  2006/12/23

 サンルダム(上川管内下川町)計画に関し、道内の魚類研究者らは二十二日までに、開発局設置の天塩川水系流域委員会(清水康行委員長)に「生物調査や代替案検証が不十分」と指摘する要望書を送った。サクラマス調査のデータでも、開発局と保護団体の数値がかけ離れ、二十五日が最終会合となる見通しの流域委が「議論不足」と指摘する声は根強い。
北海道淡水魚保護ネットワーク(代表・後藤晃北大教授)が、「サンル川は貴重な自然遺産。生物多様性を大きく損なうダム建設は慎重に」と要望。特にサクラマスと絶滅危惧(きぐ)種のカワシンジュガイは「詳しい調査とデータ公表」「保全対策の事前検証」を求めた。
一方、天塩川の自然を考える会(宮田修代表)が「ダム水没予定地のサクラマス産卵床数は開発局調査の九倍近い」と公表したことに対し、旭川開建は「調査の精度は十分」と反論。新たな論点となっている。
考える会は一週間ごとに五回踏査し、二百六カ所の産卵床を確認。開発局は専門機関に委託し、二回の調査で二十四カ所と報告した。同開建は「二−三週間ごとの調査間隔で十分把握できる」と説明。これに対し、宮田代表は「双方を呼び、データをつき合わせて検証するのが流域委の役割ではないか」と話す。