日本政府は対アフリカでHIV/AIDS問題で多額の援助をしていると言っていますが、ほとんど場合にこれまでの援助等の中身を代えず項目を変えて発表しています。ですから所謂「真水」と言われる新規の予算は無い訳です。簡単に言うと、これまで海外協力隊の教師派遣も保健衛生の分野であればその予算をHIV/AIDS予算に計上します。場合によっては井戸堀の予算等も衛生分野としてHIV/AIDS対策になります。ですから新聞で大きな金額が出て日本もまたアフリカに新規援助を始めると思うと大きな間違いな訳です。

外圧に弱い日本ですから、どんどんこんな具合でアフリカ支援が大きくなると良いのですが。

以下記事
「日本はアフリカ支援を」 エイズデー前にU2のボノ氏
2006年11月30日

 「日本はこれまで国際社会で自制しすぎてきた。だが、その時代はもう終わりだ。我々はアフリカの問題を解決するために、日本を必要としている」――12月1日の世界エイズデーを前に、アフリカ支援活動を続けるロックバンドU2のボーカル、ボノさん(46)が東京都内で朝日新聞のインタビューに応じ、日本の支援強化を求めた。

 医学の進歩で「死の病」ではなくなったとされるエイズだが、世界には約4000万人のエイズウイルス(HIV)感染者がいる。その6割以上はサハラ砂漠以南のアフリカ諸国に集中している。

 「予防も治療もできる病のために、1日に約8000人が死に続けている。1カ月に1回インド洋大津波が、1日に2回、世界貿易センターの(米同時多発)テロが起きていると想像してほしい。この狂った現実を放っておけるのか」

 日本の役割については、00年の九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)をきっかけに生まれた世界エイズ・結核・マラリア対策基金を挙げ「日本の主導で誕生した素晴らしい活動だ」と評価する。半面、95年にはフランスに次ぎ世界2位だった日本のアフリカ援助は04年には7位に落ち込んだ。「優しさの欠如ではなく、援助がうまく使われていないと感じているからではないか」とみる。自らの支援活動も踏まえ「独裁者に金が流れた過去の失敗を繰り返すわけにはいかない。援助の透明性を高め、日本の信頼と協力を取り戻したい」と語った。

 05年のG8サミットで各国が合意したアフリカ援助の倍増計画についても、「日本は約束を守る世界で数少ない国だ。その日本が約束してくれたことは非常に重要だ」と期待を込めた。

 11月29日には安倍首相と会談。小泉前首相が約束した100億ドルの政府の途上国援助(ODA)や、50億ドルの感染症対策支援の確実な実施と、08年のサミット開催国となる日本に、新たなアフリカ支援策の検討を求めた。

 「日本の国際貢献はイラクやアフガニスタンである必要はない。08年に日本で開かれるG8サミットでアフリカ援助にリーダーシップを発揮すれば、世界が日本を認める素晴らしい機会になる」

 同日夜、さいたま市のさいたまスーパーアリーナで開かれたコンサートでは、集まった2万人のファンに、日本のNGO連合による貧困撲滅キャンペーン「ほっとけない 世界のまずしさ」を紹介。「みんな『ホットケナイ』と叫ぼう」と参加を呼びかけた。