こんな記事を見つけると、嬉しいような、そして悲しい。
食物を輸入してまで食べ残す日本人。実は美味しい旬のものが地元や身近で作られている。畑で熟れたトマトなどを食べれば、これがトマト?と言う人が多いと言う。ポストハーベストも考えないでよい野菜や果物が普通に食べられる環境が必要だと思う。

以下記事
農をつなぐ:/上 守れるか「幻」のブランド /山梨

 ◇後継者と販路に課題
 さっぱりした香りが漂い、かじりつけば甘みのあるみずみずしい果肉がのどを潤す。早川町新倉の茂倉(もぐら)地区に伝わる「茂倉うり」は、キュウリより太く、緑に黄色の縦縞(じま)模様。長さは平均16センチあり、140グラムとずっしり重い。収穫は6月から8月。まさに夏の野菜だ。
 茂倉うりを栽培しているのは全国でも標高約800メートルのこの地域だけ。千切りにして味噌(みそ)味の冷たい汁に入れる「冷や汁」や漬物など、地元ではさまざまな食べ方で親しまれている。
 しかし、現在同地区の戸数は約25戸に減少、栽培農家も激減して、今や「幻」の作物になりつつある。5年ほど前から、地域の50〜90歳代の5人の女性が、「茂倉もとおじょうもん会」を作り、茂倉うり復活に取り組み始めた。「もとおじょうもん」は地元の言葉で「元お嬢様」の意味だ。
 商品化するために農業試験場でアドバイスを受けたり、加工販売を検討。今年4月には、地域団体商標に申請することも考えた。しかし人手不足に加え、日持ちがしないため出荷ルートが確保できないなど、問題は山積み。同町立保育所長の深沢礼子さん(57)は「このままでは先細り」と、現状を憂う。
 「幻」の作物はほかにもある。身延町宮木地区で栽培されている「あけぼの大豆」は、一般的な大豆より一回り大きく、甘みが強い。枝豆は300グラム300円と高価で、農協が生産する味噌や豆腐も人気が高い。
 だが、現在は約10ヘクタールの土地に約50軒が栽培に取り組むだけ。栽培者は高齢者が多く、専業では生計が立たない。宮木農業振興組合の小林義雄事務局長は「高くても良いものを食べたいと考える消費者も増えてきたが、自由競争の中では生き残っていけない」と、将来に危機感を募らせる。
 どちらも、悩みは後継者難と販売ルート確保の難しさ。後世につなげていくためには、消費者へ直接働き掛ける販売方法を工夫するしかない。一方で、県や農業関係団体も、有効な対策を提示できていないのが現状。
 高付加価値作物として将来性がある二つの「ブランド」を、幻にせずに済むかどうか、農業政策の真価が問われている。