8c905e68.jpg
雨鱒の川を読んで泣きました。決して通勤電車など読まないようにね。
そして今回。
「翼はいつまでも」は雨鱒の川の後で書かれていますが、まったく、川上さんの感性が変わることなく、青春時代と言う人生の最も多感な時期を
本当に上手く描写していると思います。雨鱒の川と同様に東北が舞台です。
十和田湖での夏の想い出。

263ページの描写
「うん。。。。。」
とぼくがいったきり、二人ともしゃべるのをやめてしまった。
感じていることも、いいたいことも、いっぱいあった。でもぼくたちはただだまって座っていた。景色をみたり、うつむいたり、空をみていただけだった。ちょびりさみしくて感傷的になっていたかもしれないけど、だからといって暗く落ち込んでいたわけではなかった。
なにもいわずただ並んで座っている。そのことが気持ちよかった。景色が気持ちよく、真夏の風が気持ちよかった。でも無言で二人並んで座っていることが一番気持ちよかった。その事だけで満足だった。

多くの人が同じような体験をしたでしょう。
青春にタイムスリップして、胸を締めつけてくれます。

また、おやじは泣いてしまいました。