おやじのぼやき

日々おやじが思う事。。。。。

2016年01月

「爆買い」後、彼らはどこに向かうのか? 中島恵  プレジデント社 2015

購入本

中島さんの本は何冊か拝読していて、立ち位置や価値観が非常にフレキシブルでかつ公正に思える。
ご興味のある方は是非下記の本などをご参考に。ちなみに中島さんは中国語会話がもちろん出来る。
なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか? 「ニッポン大好き」の秘密を解く (中公新書ラクレ)2015
中国人エリートは日本人をこう見る (日経プレミアシリーズ)2012

そして中国が日本の後を追いかけているという指摘は、まさに30年前の日本人の海外でのブランド品の
買い漁りやJALパック等の現地の方から顰蹙を買った団体旅行の姿と同等であろう。
これはまさに経済的時差なのではないだろうか。日本が欧米に追い付き追い越した様に。
そしていずれ経済成長は期待できない時代になるのだから、そして超高齢化社会をアジアも迎える。


最近のヘイトスピーチ問題や嫌韓反中本ブームの根幹にあるものは何なのかを疑問に思っている方も
多いのではないだろうか?
中国人嫌い、韓国人嫌いという人がある程度の人数いるように思うが、ではアメリカ人嫌い、フランス人嫌い、
イギリス人嫌いと言っているヒトをネット上ではあまり見ない。
その違いは何なのだろう?戦争に負けたのにアメリカ人は好きなんだろう。
共産主義が嫌いだとか共産党の一党独裁が嫌いならわからなくも無いが、〇〇人嫌いという文脈は非常に
違和感を持つのである。
中国人の氏名〇〇が嫌いとか韓国人のXXが嫌いとかならまだ理解できないでもないが、、、

さて本書では盛んにメディアを賑わしている「爆買い」の現状と背景、そして今後の中国の動きを論じています。

備忘録的メモ
中国人の海外旅行 98年 840万人 14年 1億人突破 20年までに2億3千万予想
日本に憧れる多くの中国人 85年放送 「おしん」視聴率76% 山口百恵「赤い疑惑」等 現在の50代、60代
中国人の日本のイメージ 「桜」「温泉」「ラーメン」 
団体旅行から個人旅行の流れ 団体ビザと個人ピザ(高所得者)での旅行
中国国内でのマナーの向上(経済鈍化にもかかわらず)
在日中国人 65万人(14年末)
最新の情報を提供すれば、中国側は喜んで載せてくれる(以前の様にカリスマブロガーにお金をだしたりせずに)
中国人ガイドのキックバック問題(日本のレストラン等での) 観光客もうすうす気が付いているはず
爆買いという言葉は上から目線か? 製造者側や企業が取材拒否の例
マナー良い中国人は日本人に溶け込んでしまい気が付かれない
中国人富裕層の個人旅行の拡大 団体旅行では不可能な多様な内容
値段によるサービスの差が当たり前の中国、サービスはほぼ平等な日本 だから世界からの観光客
海外旅行が「モノ」から「コト」へ変化していく
他国の常識と日本の常識の違いを認識することの重要性 文化も同じ
日本人も相手国の常識の中に飛び込んでみるべき




目次
プロローグ バブル期の日本から見えてくる「爆買い」の未来予想図
第1章 中国人観光客急増!彼らはなぜ日本を目指すのか
第2章 現場で聞いた「中国人観光客の人気商品」
第3章 複雑な社会からわかるモノが売れる仕組み
第4章 爆買いに戸惑う声から探る「マナー問題」の解決法
第5章 大挙してやってくる中国人客は千載一遇のチャンス!?
第6章 中国人富裕層にとって日本は心のオアシス
第7章 なぜ彼らは「日本に住みたい」と思っているのか
エピローグ 日本旅行で中国人の対日観が塗りかえられていく


あさが来た ふゆのお父さん 個人的備忘録

いつも録画で見ているのだけれど。。。

今週の火曜日か水曜日の放送分

ふゆ(かごやのお手伝い)のお父さんがふゆの縁談相手を連れてくる。

その時に、京都の染物屋だと言って紹介する、またその父親が下品な口のきき方をしていた。
さらに縁談相手は洋傘屋を営むという。

そこでふと中沢新一の本を想い出した。
僕の叔父さん 網野善彦

その中で 山梨(東日本)では差別を受けることはなかったが 関西では、先祖の
商売が紺屋(染物屋)というと、変な顔をされたというようなことを書いていたと思う。

あまりにドラマの中の親父が品が無い変な構成だと思ったのである。(あえてそうさせているように思えた)

また洋傘と竹細工の関係性も気になる。


外務省犯罪黒書 佐藤優 講談社エディトリアル 2015

他の本も読み終えているのですが、アフリカ某所の方にプレゼントするために速攻で読み終えた(笑)


佐藤さんの自費出版という一冊。
特別付録として鈴木宗男さんの著作「闇権力の執行人」から杉山外務審議官の罪状も加えられている。

さぞかし外務省の方々はお怒りだろう。
内容的には佐藤さんがあとがきに綴っているように、過去の媒体からの再掲載。
そして佐藤氏自身の懺悔の想いも強いだろう。(外務官僚の負の要素ばかりを守ってしまったと)

ですので、佐藤ファンの方は、その多くの内容をすでにご存じでしょう。
破廉恥外交官の話、犯罪者なのに緩いお咎めで今も職員をしている方などなど。
裏金の作り方、内部抗争、あるある事件簿の数々。
ただ、松尾事件(機密費流用事件)はすでに片付いていて、出所されているでしょうから、どのように外務省が彼を面倒みたかを佐藤さんは知っているのでは?是非その辺も書いて欲しかったな。

備忘録メモ
特定政治家に情報横流し(孫崎氏(国際情報局長)については、イランの絡みでおかしな動き)
外務省担当の「霞クラブ」と外務省の関係(良い記事を書く与党と逆の野党)
吉野文六氏(当時アメリカ局長、沖縄密約問題を証言、佐藤氏との対談本あり)の言葉「国民に嘘をつく国家は滅びる」 
権力側が作る「公式の歴史」と「記述されない歴史」
沖縄密約問題を明らかにすることが本当の国益 (西山氏との対談)
杉山事件、松尾事件では外務省との間で裏取引があるだろう。
目次
1 隠蔽される不祥事
2 公金にタカる官僚たち
3 対マスコミ謀略工作
4 私が手を染めた「白紙領収書」作り
5 「沖縄密約」最後の封印を解く
6 沖縄密約―日本を奇妙な国家にした原点
7 日本外交「再生」への提言
特別付録1 杉山晋輔外務審議官の思い出
特別付録2 杉山晋輔外務審議官の罪状

外務省犯罪黒書
佐藤 優
株式会社講談社エディトリアル
2015-12-04





山と河が僕の仕事場 牧浩之 フライの雑誌社 2015

本書の題を見た時最初の感想は

矢口高雄さん(釣りキチ三平の著者)の
ボクの先生は山と川
ボクの学校は山と川
両方とも矢口さんの子供時代から青春時代を綴った名作だと記憶している。

本書は肩書が職業猟師+西洋毛鉤釣り職人の牧さん(1977-)の人生の道程だろうか。

NZ留学、帰国、奥様の実家がある宮崎への移住。
メインは移住後の山と共存していくエッセイ。

フライタイヤー(毛鉤作成者)を生業として生活していた牧さんが、宮崎の地で
狩猟免許のわな猟、散弾銃や空気銃の免許を得て毛鉤の材料となる毛皮やカモの羽なども
自らが狩猟により得て、まさに起承転結の生活を創り出していく過程を綴っている。

その過程は決して遊び半分のサバイバル狩猟などというものではなく、有り難く山の恵みを「いただく」という
態度であり、農家のために、少しでも獣害を減らしてあげたいという共同体の一員としての姿がある。

フライフィッシング(西洋毛鉤釣り)という遊び、その背景にあるのは、魚が住む渓流、渓流を生む豊かな森と自然
であろう。ただ釣りが出来るだけなら釣り堀や管理釣り場で十分である。
フライフィッシングという遊びが未来も出来る様にするためには、その自然と真剣に向き合い、
森や河に存在する動植物に目を真剣に向けることが必要なのだと思う。

そして、渓流や森は、単に釣りだけの目的にあるのでは無いことも釣り人は認識して向き合うことが重要だと再認識した一冊。

釣りだけのために外来種を放流したり、他の渓流から魚を移動させる行為がいかに愚かな行為なのかを山と川は教えてくれているのだから。

見捨てられた初期被曝 study2007 岩波科学ライブラリー 2015

図書館本

多くの方が新聞での図書年間ランキングに挙げていましたね。
study2007さんは、本書の出版のあとにガンで亡くなっています。
study2007さんありがとうサイトです。http://ja.padlet.com/shiraishi/xskr3wq6gumx

内容はまさにタイトル通り。
福島原発震災がいかに初期対応を間違い、多くの方が被曝をしたのかを
現状得られているデータをもとに科学者の社会的責任として綴っています。

備忘録メモ
公開された資料からは、住民の安全と人権が事故初期から自治体や各省庁、専門家らの間でたらい回し
され、螺旋階段を駆け下りるように削られてゆく過程が明瞭に読み取れます。
福島の事故と教訓を活かすならば、少なくとも子供や女性については100Km圏外への早期非難が必要
なことは明らかです。その具体的な計画と予算、および実現可能性が担保されない限り、いかなる原発
の再稼働も容認されるべきではない。

事故直後、避難住民は「寒さか被曝か」の選択を強いられ、初期被曝は見捨てられました。
今、政府は「故郷か被曝か」という二者択一の議論を演出することで「安全な場所への移住」
という賠償責任を放棄しようとしています。

合掌




2015年11月1日東京新聞

study2007

錦絵春画 別冊太陽 2015

図書館本(鎌倉図書館えらいよね)

昨年春画展を見に行けなかったので本で鑑賞。

まさに芸術ですね、ヨーロッパの著名な画家にも影響を与えた春画。

作家毎の特徴、作品の作り方、春画に添えられている文章。

江戸時代に禁止されるも地下で脈々と作られた歴史(それほど強い禁止令でもなかった?)

やはり明治以降の性に対する国家の規制が強かったのであろうことがわかりますね。

やはり春画展を見に行くべきだったと思う一冊。


元旦の各紙

毎年恒例の各紙購入(東京新聞は購読中)

感覚的には特にスクープもなくのスタートなのでしょうか。

21世紀は平和の世界だと信じていましたが、まったくそんな事はなく、格差の拡大と内戦、代理戦争の
様相ですね。

争いが人間の本能だったとしたら、その本能にブレーキをかける知恵が人間の知性だと思うのですが、、、

人口は増えない、経済成長は望めない社会の中での生き方を模索するのが本来の姿だと思うのですが、
世の中は貨幣を求める「野放しの資本主義」に偏ってこれからも進むのでしょう。

数字に表れない幸せの尺度を示した書籍が多くなって来ている様にも感じます。
GDPの値に一喜一憂する時代が終わることを願いつつ。

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2016年

新年あけましておめでとうございます。

さて、きな臭い世界と日本であります。

本年もおやじのぼやきにお付き合いください。


利他的に生きたいと思っています。
嫌いなモノ:嘘つき、ケチ、利己的
好きなモノ:読書、源流の岩魚、焚き火

不戦 、非戦、反戦
pacifism
agree to disagree
altruism
selfless
renunciation of war
No Border
Eat to live; do not live to eat.
A winner is a dreamer who never gives up. ~ Tata Madiba
I am not an optimist, but a great believer of hope. ~ Tata Madiba
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