おやじのぼやき

日々おやじが思う事。。。。。

2009年08月

魂とは何か 池田晶子 トランスビュー 2009


死とは何か、私とは何かと同時期に発売された、池田さん死後に池田の夫らが設立したNPO法人わたくし、つまりNobodyが編集したもの
魂を考える(絶版、1999)と雑誌等への掲載作品を編集。
1.魂を考える
2.その人を考える
3.魂を語る文体は
個人的には、その人を考える、が面白い。池田さんが尊敬していたであろう人々を綴る。

備忘録として
哲学の不遇が、現代的状況の原因であることは自明である。物質主義、科学主義、経済第一主義、もう一方で、堕落した民主主義としての大衆文化、これらが混然と絡まりあってこのようである現代社会は、人々が哲学しない、すなわち考えないからに他ならない。なぜ、金銭が価値があるのか、なぜ快楽が価値があるのか、なぜ自分はそれを価値とし、そのように生きようとするのか、これら人生と世界の根本問題を考えず、ただそのようであると思いこんで生きているからである。P187

確か魂を考えるには養老孟司氏との対談があったように記憶しているが、本書には収められていない。


魂とは何か さて死んだのは誰なのか
魂とは何か さて死んだのは誰なのか
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本日の大人買い

母国では政権交代だそうだ。
出来の悪い公僕が去れば良いのだが。。。きっと肩書にしがみ付き、しっぽを振るのだろう。
利他的な優秀な官僚は母国を捨てない事を祈るばかりだ。
パラダイムシフトが起こるのかどうか。

さてさて、週末読書三昧であるが、斎藤美奈子氏の「読者は踊る」が非常に面白かった(先日オランダの知人に頂いた本)。

そんな訳で古本大人買い。
文壇アイドル論
斎藤美奈子(著者) 中古 ¥100 1 ¥100
男性誌探訪
斎藤美奈子(著者) 中古 ¥150 1 ¥150
趣味は読書。
斎藤美奈子(著者) 中古 ¥150 1 ¥150
冠婚葬祭のひみつ 岩波新書
斎藤美奈子【著】 中古 ¥250 1 ¥250
趣味は読書。 ちくま文庫
斎藤美奈子【著】 中古 ¥250 1 ¥250
あほらし屋の鐘が鳴る 文春文庫
斎藤美奈子(著者) 中古 ¥200 1 ¥200
文学的商品学 文春文庫
斎藤美奈子【著】 中古 ¥300 1 ¥300
文章読本さん江 ちくま文庫
斎藤美奈子【著】 中古 ¥550 1 ¥550

「読者は踊る」は超お勧めです。
文庫の解説の米原万里の文章も良い。


読者は踊る (文春文庫)
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読者は踊る―タレント本から聖書まで。話題の本253冊の読み方・読まれ方
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死とは何か 池田晶子 毎日新聞社 2009

同時期に、魂とは何か(トランスビュー)、私とは何か(講談社)が出版されている。
池田晶子(1960−2007)の死後に、池田の夫らが設立したNPO法人わたくし、つまりNobodyが編集したもの。
未発表の1編(死期の迫った2007年1月の語り下ろし「死とは何か」−現象と論理のはざまで−医師を対象とした講演会で病状悪化のため演壇にたてなかったために書いた)以外は新聞や雑誌等に掲載されたものをまとめている。
1.精神を捉えてやまない謎
2.ひとりだけで考える
3.役に立たないからこそ
4.人生は言葉とともに
5.存在の謎は、果てしなく
付録 自筆原稿「いいわけ」
すでに池田さんの本を読まれている人にとっては、どうなんでしょう?あまり纏まりがないという印象ではないでしゅうか。少なくとも自分はそう思う。でも買ってしまうのだな。
備忘録として
人間を動かすのはあくまでも思想と言葉です。科学技術、それ自体で動くわけじゃなくて、動かしているのは人間の正しい、あるいは間違った思想です。同じ科学技術でも、もっと正しいく使いなさいという思想が人の心にうまく入れば、正しい文明が作られるはずです。その意味では、「科学技術」を変えられるのは「言葉」だけです。P164
「書く」ということは、この指で、この力で、一字一字を書くことだ。摑まえた考えを言葉に封じ込め、この世の地面に刻み込むことだ。私にはどうしてもそうとしか思えない。言葉を所有するゆえに人間は人間なのだから、その言葉の仕事を機械に任せてしまうと、人間がユルくなるというか安くなるというか、強くいえば、決定的な変質が起こるはずと、私は予想しています。P205(ワープロを使わない池田さんである)
我々の生死は、じつは、言葉においてのみである。言葉以前に生死はなく、言葉以後に私はない。言葉と存在とのこの悩ましい共犯関係は、ぎゃくに、我々を、生死の呪縛から解き放つ。P218

池田さん自筆の原稿を見て、ふと微笑を洩らした方も多いのでしょうね。


死とは何か さて死んだのは誰なのか
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テント泊

asahi.com(朝日新聞社):カダフィ大佐のテント候補地「使用不可」 米政府が拒否 - 国際
以前、そう10年位前かな。カダフィ大佐がサハラ砂漠を隊商を組んで?ガーナまでやってきた。
ほとんどがランドクルーザーだったように思う。そして4星レストランの庭に沢山のテントが張られ、大佐はそこで寝たと聞いた。
今やAUを代表する人となったが、当時はアメリカからは命を狙われていたと思う。西側から見るカダフィ大佐とアフリカから見るカダフィ大佐はかなり違うのだろう。視点を少し変えるだけで世界の見方が変わるものである。
来月は北海道でテント泊が出来るかな(笑)

禁酒解除?

水曜日の夜にコップ2杯のビール
木曜日缶ビール1缶
金曜日おなじく1缶

若干疲れているせいか、ほぼ30分以内に爆睡モードです。

おそらくすでに一生分のアルコールを飲んだから、もう飲まなくても
良いということでしょうか(笑)
タバコは30歳で止めたのでもう20年吸ってません。
酒もそろそろ打ち止めかな。

今日は読み終えた本の感想文を書かねば(物忘れが単に酷いだけ)。

風呂

1か月ぶりのバスタブ、なんと入浴剤のバブまでいれた(笑)
体の垢の膜が一枚づつはがれるような(爆)

おいらのホステル(長期滞在中)は水のシャワーしかない。
当然バスタブなどないのである。
まあ、特に苦になることはない。
でも、きっと昔を知らず、最近来たような方だと耐えられない人も
多いかもしれません。

木曜日の夜に4星のホテルでイベントがあり主催者側が宿泊しているので
その部屋のバスタブをお借りしたわけである(笑)

バブ(おいらは白濁するバブが好きなのである、と言うか、疲れが取れる
のである。そして日本から持ってきていた)を2個も豪華にバスタブに
投げ入れて、ご入浴。
若干お湯の温度が低かったが、体を横にして沈めてゆったりである。
ちなみに自宅の風呂は30年前のタイプで足を抱えないと首まで浸かれない。

そんなわけで、久々に体が癒された感じ、そしてイベントも終了。
さて本職に戻らねばならないのである。

少年とアフリカ 坂本龍一 天童荒太 文藝春秋2001


副題:音楽と物語、いのちと暴力をめぐる対話

天童さん(1960−)の「永遠の仔」のテレビドラマ化にあたり、その主題歌を坂本さん(1952−)が作った。それをきっかけに対談が行われ書籍化
はやり活字は怖い。坂本さんが今これをご自身で読まれてどう思うのだろうか?
非常に思索が甘いというか不十分というか、読んでいて「坂本龍一という天才的音楽家は他分野に対してこんなに理解が浅いのか」と思ってしまった。色々な表現手段で意見を出してきている坂本さんであるが、この本はいただけない。
一例をあげておこう「黒人とやくざはえらい、いつも光るものを身につけていて、航空券や換えたり、お金に換える」「ユナイテッド航空に乗って、着陸時にシートベルトをしなくてスチワーデスとけんかになった、しつこく言うから「シートベルトしなくて死んでも、俺の命だからお前に関係ないだろう」と喧嘩したそうだ。
天童さんは、坂本さんより若いのに落ち着いて対談していて、非常に好感が持てる。まさに永遠の仔を書いただけの事はあると思う。最近の「悼む人」でもその評価は高い。
坂本さんにとって2週間ほどのアフリカ(ケニア)はかなりインパクトが強かったようである。ただ、それを本書のタイトルに入れる程の内容は無いと言っても良い。
まあ、編集者のまとめ方が悪いのかもしれないが。


少年とアフリカ―音楽と物語、いのちと暴力をめぐる対話
少年とアフリカ―音楽と物語、いのちと暴力をめぐる対話
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恋しい女 (上)(下) 藤田宜永 新潮文庫 2007

恋しい女 (上)(下) 藤田宜永 新潮文庫 2007

初出 2004 新潮社

50代の元建設会社社長の男。一線を退き(退かざるを得なかった)、妻を亡くし、1人暮らしに十分な資産を有し日々を暮らす。若いころからの女性遍歴は数知れず、されど全身全霊でのめり込む様な恋愛は無い。母親との関係性からその様な人格が形成された。
そんな男の前に現れた20代の由香子、決して人に染まる事もなく、自らが流れに入ることもない女性。そんな女性にのめり込んでいく男を描いている都市恋愛小説だろうか。
舞台は港区、白金台、六本木、渋谷といったあたり。
こんな心象表現が面白い
「私は何が嫌いといって、鬱陶しい女がこの世で一番嫌いである。しかし、私の言っていることは大きな矛盾を抱えている。女が或る男を好きになると、どんな女でも、男にとって鬱陶しい存在に変わる。鬱陶しい女が嫌いということを突き詰めると、女に愛されるのが嫌だということになる。では、私は女に愛されるのが嫌かというと、そんなことは決してない。この矛盾の間隙を縫って女と付き合うのは容易なことではない」
藤田さんの独白に思えてならない。


恋しい女〈上〉 (新潮文庫)
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恋しい女〈下〉 (新潮文庫)
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恋しい女
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寄付を考える



決して寄付行為そのものに反対ではないし、どちらかと言うと、好きな方である。
これまでのNGO/NPO、自然災害の救援等には寄付させていただいてきた。
最大額は5000ドルだった様に記憶している。これはある援助団体(ドナー)がその国で行う福祉関連プログラムは1か所だけというバカげた取り決めのために、これまで順調に行っていた開発プログラムが中止になるとの事で、自分と某日本自動車メーカ現地代表が5000ドルを出し、医務官が2000ドル、その他の有志で3000ドルを集めて15000ドル(これが福祉プログラムとほぼ同額)を現地のNPOに寄付した事だろう。その後のNPOからはしっかりして報告書も頂き、さらに帰国時には身に余るお土産まで頂いてしまった。
そのプログラムはいわゆる村落開発系のものであったが、母子保健、寄生虫対策、HIV対策、さらにインカムジェネレイチング(収入確保?のための作物販売や工作物販売)と言ったかなり総合的なものだったと記憶している。

さて、わが出身高校では所在地で毎年盛大にホテルで同窓会をやる。ちなみに一度も出たことはない。東京で行われる同窓会には何回か出席はしたが。
その盛大にホテルで行う同窓会の幹事の担当年だと言う、パーティー券を売り、広告を取り、さらには母校へ何がしかを寄付するという。そのような活動のためにわざわざ事務所を借りるのが慣わしだと。
参加者に聞けば、ほとんど若い連中はおらず爺さんたちの宴会だと言う、まあ久しぶりに旧交を温めるのは良い。ただ、当たり前の様に毎年繰り返されるこの行事が果たして伝統なのか?
パーティー券の売り上げ(購入者が来ない方が良い訳である)に期待してわざわざホテルでやる意味があるのか?そしてパンフレットに広告を載せるための寄付を集めるのだという。参加者だけが会費を払う会をやればいいのではないか。

何かおかしくない?質実剛健が泣いているぜ。

クラーク博士の弟子であった大島校長が草場の影で嘆いているのでないですか?
石橋湛山が墨で書いた?boys be ambitious が虚しく見えるのである。

若い連中を勇気づける同窓会が出来ないものか?そんな会なら喜んで寄付をだすのだが。
単なるお祭り騒ぎ的自己満足な同窓会など伝統ではないのだと思うのである。

以前体育館でやった折、酒の匂いとタバコの匂いが問題になったと言う。
ならば、禁酒、禁煙でやれば良い。
あるいは外でやれば良いのである。

なんか書いていて虚しくなりますね(笑)

初めて分かる割り勘の損得(笑)



この2カ月酒を飲んでいないわけだが、宴会等には参加せざるを得ない場合もある。
割り勘を男女間や年功序列的給与体系がある職種なら支払いの差をつけるのはまあ当たり前、だとは思うけど、飲んでも飲まなくても一律に割り勘は飲まない人には不条理ですね。飲まないとよくわかりますね(笑)先日も東京の宴会で酷いのがあった。値段は高いはつまみは大皿に乾きもの、それで4000円飲み放題だと。二度とあの店にはいかね〜よ。
確か有楽町のニュートーキョウだったかな。

あと思うのだけど、ケチな上司というのが何処の世界でもいるわけです。
決して貧乏でないのに、割り勘にする奴、少し多めに出そうとする意思すらない。
こんな連中とは二度と飲みたくもないわけです。そし往々にしてこんな連中は回りかの評価が低いわけで、なぜか肩書に固執する。
逆に裕福でないはずだが、後輩の面倒は非常に良くみる先輩も存在する。そしてこんな先輩や上司にはいつか恩返しをしようと心に決めるわけである。
そういえば大学院の時の先輩はいつも2:1の割り勘にしてくれた。今はアメリカで教授をしている。原田知世の大ファンだった。
先日3日ほどこちらに来たボスは、さらに太っ腹である。部下全員に細かな配慮を常にしている(ちなみにかなり前から直属の上司でもないのにも関わらず)。

要するに金銭的損得ではなく人格的損得を非常に感じるのである。
宮台真司的(日本の難点)には利他的である事が重要な訳ですな。

もうちょっと禁酒予定である(笑)もしかして酒止められるのかと思う今日この頃。
いよいよ老後に突入なのかな。

何を得て、何を失ったのか

金曜日の夜

日本大使館の方の送別会に参加した。
奥様が俺と同じ年、ご主人が一つ上、色々とお世話になった。奥様は非常に気さくな方であり、ご主人は寡黙な様で時に雄弁。左にご主人、右にUNDPの副代表という恐縮な席順である。いつもながら場違いな質問をしてみる。
この国は現在、かなりの発展を物質的にはしているが、それを個人の幸福という文脈でみると発展と幸福は同じ様に進行しているのか?
お二人とも、発展に伴い何かを失うという。

この国に初めて来てから25年が経つ、確かに道は良くなりモノは溢れている。自分が日本で育ったガキの頃と今のこの国が似ているのかもしれない。何か明るい未来が約束された様な活気がある。原油産出国になると言う期待もあるだろう。そのガキが50歳になろうとしている。日本では政権が代わる事が想定されるとメディアは騒いでいる。でも、田舎で畑仕事や山仕事をしている爺婆にはそんな事は関係ない。お天道様が出れば仕事を始め、日が暮れれば家で夕餉。
この国にも良き文化が沢山ある。まさに権威と権力が両立するような共同体と強力な家族制度ともいえる家族間の繋がり。そこにはゆったりと流れる時間がある。循環する時間が日本の山里の様にあるのだ。
我儘な期待をこの国にしている、どうか、お金だけに一喜一憂する時間の流れに飲み込まれない国であってほしいと。

そんなことを日本でも食べられない程に旨いと感じた中華料理店の鍋を突きながら思ったのである。そう相変わらずノンアルコールの中で。

肩こり

これまで酷い肩こりというものになった事がない。

しかしである。
先月以降、やたらと肩が痛いのである。

おそらく眼の疾患で、眼の使い方が変わった事(右目と左目の使い方がおそらく違うのだろう)で肩の筋肉にも影響しているのだ。

あるいままた、単なる老齢化による筋肉の委縮ないしは疲労。

インドメタシンの軟膏やら湿布という秘密兵器を導入しても痛いのは
なかなかとれません。

水のシャワーだけしかないというのも若干理由づけにしたいところでもある。

たまには足の延ばせるバスタブに花王のバブを入れてゆっくり浸かりたいと思う今日このごろである。
そして出来れば肩もみマッサージをしてもらいたい。

アムステルダムの知人宅にはなんと高級マッサージ機がありました。
最近の機械は良くできています。かなり疲れが取れました。
でもやっぱりヒトの手によるマッサージには叶わないですね。

こんな文章をタイプしているからさらに肩が凝るというのも間違い
ない事実です。

はなかげ 藤田宜永 集英社文庫 2001


1997−99 小説すばるに発表の7短編
藤田さんのサスペンスは読んだ事がない。いわゆる恋愛小説で藤田さんの作品を読み始めた。中年男が主人公の物語、何処か翳のある疲れた男に感情移入してしまう物語。
放春花、ホワイトクリスマス、妖精、クレマチスの女、ご馳走様でしたぁ、藤色の季節、時の流れに、の7編
放春花では良く知った東大医科学研究所病院西門の近所の話が出てくる。
ホワイトクリスマスは鞄職人の話、妖精は事故で野球生命を断たれたプロ野球選手のバット職人の話、沖縄、ハイビスカス、そしてエンディングが泣けます。クレマチスの女は画家の話、グレテいた少年がやがて画家になる、少年時代の憧れの同級生、その娘との偶然の出会い、花はテッセン、クレマティスそして、悲しいエンディング。ご馳走さまでしたぁ、は薬局の男と花やの店員の話。藤色の季節、は銀器作り職人と娘、そしてその娘の恋人が織りなすラブストーリー、ラストシーンは泣かせます。時の流れに、は時計職人の女性と、疲れた会社役員の物語。ゆったりとした時間の流れに包まれる大人のままごとの様にも思えます。そんなある種のどかな風が吹くようです。場所は北里研究所の裏の路地です。


はなかげ (集英社文庫)
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政治と情念 立花隆 文春文庫  2005

政治と情念 立花隆 文春文庫  2005

単行本「田中真紀子」研究 2002 の文庫化

2009年8月 衆議院解散による選挙がまさに始まる。民主党政権が確実視されているようだ。さて本書は田中角栄の金権政治を暴いた立花さんが政治世界を田中真紀子さんに焦点を当てて描きだしている。いかに角栄と真紀子がちがうのか。
角栄の良い点、真紀子の良い点を挙げてはいるのだが、やはり明らかに強調しているのは政治の世界には向かない?田中真紀子である。
角栄を取り巻く金権政治、人間模様、派閥抗争、官僚掌握術、そして女性関係等々。
角栄は金に苦労した、だからその有難みも汚さも知り尽くしていた、だが田中真紀子はその苦労を全くしらない。多くの優秀な秘書の首を切り、また去っていった。
政治とは綺麗ごとではないのは分かるが、あまりに情念の渦が大きいのだと感じた。
さて、これからの政治はどうなるのか?官僚に頼らない政治が可能なのか?
本書をまた10年後に読み返せば日本の政治の渦がどのように巻いたのかが分かるかもしれない。


政治と情念 権力・カネ・女 (文春文庫)
政治と情念 権力・カネ・女 (文春文庫)
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あの戦争は何だったのか 保坂正康 新潮新書 2005

あの戦争は何だったのか 保坂正康 新潮新書 2005

読んだのは 2009 31刷

本書でも指摘されているが、高校時代に日本史を習わないでも済む現実がある。
そういう自分も世界史をとった。大学教養課程で日本史を取らなかったので、最終日本史学歴は中学卒である。成人してから確かにいろんな本により第二次世界大戦の記述に触れる事が出来たが、それは常に、「ある切り口」を通して見ている。今なお東京裁判に対する評価が分かれていることも、南京事件の真実がいくつもある様に語られる。
本書も当然切り口がある、どうして戦争を始めなければならなかったのか?
日本軍の構造分析により、黒幕をあぶり出そうとしている。
ただ黒幕とされる大本営がエリート中のエリートからなる集団ということは理解できたが、それではそのエリート達が何を考え何を目指したのかが見えてこない、そこがまたブラックボックスなのである。まさに一番知りたいところである。天皇とのやり取り等は立花隆氏の「天皇と東大」以上の事は書かれていないように思う。
ぜひとも大本営の中のトップエリート達の思考様式と行動様式を明らかにして、いかに日本が無謀な戦いを始め、多くの民間人の命を無駄にしたのかを示してほしい。
本当の終戦記念日(敗戦記念日)は8月15日ではなく9月2日(降伏文書に調印)だというのは確かにそうですね。


あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書 (新潮新書)
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まっとうでないかな

みんなの党 ? 政策
あれ、凄くよいくない? 他党の政策は見てませんが。だってばら撒きでしょう。経済優先でしょう。

まずは削れるところを削る(公務員の給与等)国会議員数削減。
当たり前な政策が当たり前に通らない現実。
若い人は特に良く考えた方がよいですよ、ご老人達のために奴隷の様に働くのが日本のためになるのか?
右肩上がりの発展なんか望まないで、お金に依存しないで生きてみたくないですか。

そういえば渡辺さんの涙を以前テレビで見ましたね。
一生懸命正論を通して働いたのに霞が関に抵抗された時かな。
私利私欲でなくノブレスオブリージュって感じでしたね。

ファンダメンタルなふたり 山田詠美 中沢新一 文藝春秋 1991


初出 1989−1991「クレア」
時節の話題(オウム、ユーミン、幸福の科学、村上龍、その他)に関する二人の言いたい放題雑談。
もう20年前の記録である。中沢新一氏の本は網野善彦さんに関する(叔父さんにあたる)ものを読んでいて興味を持っていたし、母校の先輩でもあるのだが、この本はいただけない。品がないのである。言いたい事は言うのは良いとは思うが、言葉に温かみが感じられない。まあ今は私立の芸術大学の教授をされているのだと思うが、幾ら当時若くても、メディアに露出していたとしても、やり過ぎな感じ。さらにはやはりオウムに対する評価が(この時点でも問題になりつつある)甘い。結局未だに中沢氏はご自身でオウムに関する総括をされていないのではないだろうか。
活字というものは怖い。20年前のものがそのまま残っているのだから。
ちなみに山田さんのスタンスはバランス感覚に優れていると思うし、湾岸戦争に対するコメント(ご主人が派兵されるかもしれないという立場)もなるほどと思った。


ファンダメンタルなふたり
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ぬくもり 藤田宜永 文春文庫 2002


単行本 1998
風鈴の女、二十歳のコンドーム、ぬくもり、命日の恋、天からの贈り物、5編からなる。

個人的には天からの贈り物が良い。昔振られた女性の娘との出会い、そこから展開する青春の想い出。結末は書かないでおこう。
他の4編も面白いが少し翳を感じてしまう。もちろん藤田氏の描く男と女の人生模様は絶妙だけれども。


ぬくもり (文春文庫)
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冬の伽藍 小池真理子 講談社文庫 2002

冬の伽藍 小池真理子 講談社文庫 2002

講談社 1999単行本 
3章からなる恋愛小説。夫を事故で失った薬剤師、妻を自殺で失った医師、その二人を取り巻く日常と非日常的出来事。いつもの様に事件、事故的な死があり、そこに人々の関係性が描かれているけれども、その展開が絶妙。1章を読み終えた時にはそれほどに物語の中に飲み込まれる事はなかったのだが、2章から3章そしてエンディングに向かう言葉の流れには知らない内に完全にその物語の中に入り込んでしまい、本を閉じる事が出来なくなった。
そんなオヤジをも泣かせる一冊だった。


冬の伽藍 (講談社文庫)
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日本の難点 宮台真司 幻冬舎新書 2009


お名前は知っていたが、初めて著作に触れる。 1959年生まれ、社会学者(首都大学東京教授)
あとがきにご自身で書かれているように、経済、政治、宗教、性愛、教育を1人で串刺しして論じている。そのため話題が多岐にわたっている。だから「日本の論点」的な本には興味がないとおっしゃるのがわかる。そして沢山の主張が書かれている。
「軽武装・対米依存」から「重武装・対米中立」へ、これは米国の日本にたいする年次改革要望書での学校週休二日制、郵政民営化、裁判員制度導入等でのアメリカ資本に有利なゲームへのシフトに対する行動のようです。
種々な文脈での痛みからの隔離(無痛化)に伴って「他者の死を通じて自己の死を理解する」回路が閉ざされてしまっていると指摘する。
社会的包摂の空洞化(お前が死んだら悲しい、「嘘をつけ」で閉じてしまう関係性)
早期教育不要論(ガリベン君より非ガリベン君が伸びる、麻布、東大での経験から)
そして最終的に?柳田國男を参照することが日本の立て直しに重要だと指摘する。それは如何にして「みんな」へのコミットメントは可能か、という問いを柳田は考えたからだと。
そして本当にすごい奴に利己的な輩はいないし、東大でも霞が関でも一番優秀な奴は軒並み利他的だと。まさにそれがノブレスオブリージュなのだと僕は思った。
宮台さんの全てに対して同意するには至らないが、読んで損はないというか、考えるための一助にはなると思う。ナンパ師、援助交際評論家?でもあり社会学者でもあるという宮台氏が今後どのような展開をしていくか興味があるところである。



日本の難点 (幻冬舎新書)
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消費と欲望

経済の事はほとんどわかりません。

ただ、欲望というものが経済という文脈には必ず係わっているようには
思います。

国も企業はどうしても国民にお金を使わせたい。その為に欲望を
煽っているようにしか思えません。

衣料品の低価格戦略。イオンが安いジーンズを作ったとか。
高速道路を1000円で通行可にするとか。
価格を下げれるとつい無駄なものまで買っていませんか?

着ない衣料が沢山ありませんか?
ガソリン沢山使ってませんか?
飽食ではありませんか?

ベルギーに居た時にも思ったのですが、日本人の食事ってすごいと
思います。3食とも温かいものを食べている人が多いですよね。
ベルギーの職場の仲間のお昼はチーズを挟んだパンとリンゴ。
大体皆同じでした。温かい食事って一日一回が普通だと言ってました。

消費活動をするために働いているように思えてなりません。

ふと思うのです。
禁酒していたら、お金が余り減らないなあと。(笑)
タバコを止めた時もそう思いました。

良いものは高い、その高いものを子供や孫の代まで使えば、決して
高いものにはならないと、これもベルギーの家具の使い方をみて思いました。
そんな思想をもつ会社が増えれば嬉しいと思うのです。
使い捨てでなくて、使い回しの社会が本当はエコなんじゃないの?
車での家電でも買い替えるのは絶対エコじゃないし、無駄遣いだと
おいらは思っているのです。

そんな偉そうな事を書いているお前が一番無駄遣いだと言う家族の
声がアフリカまで聞こえてくるのは秘密です。爆


禁酒中

6月20日より眼の具合が悪く、一時帰国し、その後また西アフリカに戻ってきております。眼の方がまだ充血が若干ありますが、痛みもなく読書もできる状態です。
特にドクターストップというわけではないのですが、ずっと酒を飲んでおりません。おそらく人生(すくなくとも高校時代以来)で最も長い禁酒期間を更新中です(笑)

まあ長生きしたいわけではないのですが、「痛み」ってのは嫌ですよね。

池田晶子が書いておりました、

長生きが善であるのでなく、良く生きる事が善であると。

悪く生き過ぎたから、体のアルコールを抜きなさいという何処ぞの神様の
お告げなのかな。

市場経済

初めてこの国に来た1984年 もちろんスーパーマーケットなどなかった。
買い物するにはいつもヒトとヒトとの会話があって成立するということが
あたりまえだった。
10年まえ、中規模なスーパーマーケットは有った。でも、やはり細かいものや、ある種専門的なものは別の店でマンツーマンでの会話の中で買い物が
成立していた。
今は大型のショッピングモールが出来て、多くのものが、手に取れ、カートに入れ、そしてレジで無言でお金のやり取りである。
もちろん、レジの女性は挨拶をすれば、ちゃんと答えてはくれるのだが。

便利というものは、やはり、何かを失いながら進むのだろう。

パックされた食品があることが良いことなのか、ふと疑問に思ったのである。
野菜チキン

読まねばならないのだが。。。

自然農の福岡さんというよりは、魂の福岡さんだろうか。。。
お亡くなりになる前に読破しておきたかったが、いまだに。。。。。

福岡ー無

17 again セブンティーンアゲイン

KLM機中映画

思わず見入ってしまった。
誰もが一度位は考えるだろう。
人生のある時期に戻りたい事が。
そしてやり直したいとか思うことが。

将来を有望視された高校のバスケット選手、ガールフレンド、その彼女の妊娠。結婚、離婚調停。。。。

ありがちな人生を映し出しているのに、なぜか感動してしまう。
back to the futureの青春版かな




セブンティーン・アゲイン (ザック・エフロン 主演) [DVD]
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読み間違いね〜

傷跡も読めないわけですか。
自分で原稿書いていないのが見え見え。

橋本龍太郎さんに講演をお願いした時、ご自分で原稿を必ず書くと言ってました。さらに自筆の文章長めのお手紙まで頂き、恐縮至極でした。

橋龍さんは政治家になりたくなかったのを、周りが担いだ2世議員。
今の方はどうなんでしょうね?単なる金持ちの2世なんでしょうかね。
ご祖父は偉いかたなのに。

自分は麻生さんの本を読んで、このヒトは首相には向かないと思っていましたし、野中さんへの差別発言もありますした。

その文脈では小泉さんの方が良し悪しはどうあれ、ブレない政治家ですね。



とてつもない日本 (新潮新書)
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自由と繁栄の弧 (幻冬舎文庫)
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小泉純一郎の暴論・青論―政界のイチローが語る、痛快本音エッセイ
小泉純一郎の暴論・青論―政界のイチローが語る、痛快本音エッセイ
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池田晶子 3冊

池田さんが亡くなられた後に出版された3冊
講談社、毎日新聞社、トンラスビューと異なる出版元ですが
こんなかたちの本です。
そして、大好きな愛犬とのスナップショット

内容はまた書くとしてとりあえず。

ikedaikeda2

鎮守の森 宮脇昭 新潮文庫 2007

2000年 宮脇昭・板橋興宗 「鎮守の森」を一部訂正、加筆

宮脇昭(1928(昭3)−)さんは3千万本の木を植えた男として良く
メディアに紹介されているように思う。それは潜在自然植生の主木
の幼苗を混植、密植する作業である。
森の荒廃が叫ばれ、それは実は林業政策の失敗(拡大造林や
樹種の選択ミス等)がほとんではないだろうか。もちろん
都市化に伴う人口の上流域からの流失によるいわゆる里山の
放棄もあるのはたしかであるけれども。
さて本書は、ヒトと頻繁に接する自然帯としての森、その一つが
鎮守の森であり、その森の再生が日本の自然環境回復であると
読み取れた。
ここで言う鎮守の森を宮脇さんは、単なる神社の森ではなく、
ひろく地霊をまつった森という意味だと書く。そしてそれは
ふるさとの木によるふるさとの森、であると。

こんな行政の失敗例が出てくる。
昭和30年代山梨県企業局による富士山スバルラインの環境破壊が
良い例であり莫大な量の高木、亜高木が枯れていった。
(林務部からの調査依頼が昭和47年頃とある)
信州のカラマツ植林地:台風のあとを見ると、根が浅いために
えぐられた様に倒れている。自然界では最高条件と最適条件が
違うのだと指摘する。(下刈り、間伐等で土地本来の競争相手
を排除して木を育てるため)

宮脇さんが重要だと(本質)と指摘するのは潜在自然植生を
読み取るということだ。
これはすべての人間活動を停止した時にその土地の自然環境
の総和が終局的にどのように植生を支えうるかという理論的な
自然植生をいう。そして日本列島の潜在的自然植生のほとんど
は森である。と。

このような宮脇さんの理論や活動に最初に参加したのは民間
企業である。
新日鐵やイオングループであった。後書きの岡田イオン名誉
会長の話だとイオングループだけで宮脇理論で6百万本以上の
植樹をしたようだ。
最近の報道によりれば林野庁もやっと宮脇さんの方法を取り
入れようとしているようである。

ただ、宮脇さんの活動は人里に近い場所でのものであり、
もちろん奥山でも可能なのかもしれないが、奥山の場合は
平野虎丸さんの「日本政府の森林偽装」に記されている
ような皆伐後は何もしないのが潜在自然植生に値するのでは
思った次第。

第2部の曹洞宗大管首の板橋さんとの対談「日本人と千年の森」
も蘊蓄が語られていて面白い。仏教伝来以前の本邦のアニミズ
ムとでも言うべき山岳信仰はすなわち森という文脈があって初
めて成立するのだから。

鎮守の森 (新潮文庫)
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鎮守の森
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変な記事

食害ストップへ広葉樹を植林
森とかに興味がない人が読むと、何か良いことをしている記事に思えるのでしょうね。(笑)今まで散々儲かると言って杉やヒノキを植えてきて、価格が下がったからと言ってホッタラカシて、食害と言って鹿に罪をなすりつける。

水源かん養機能を高めるとともに、土砂災害を防ぐのだと。
針葉樹が水源かん様機能がないのに植林してきて、さらに針葉樹の根が浅くて土砂災害を起こしてきた責任をまた税金使っていじくりまわすわけですよね?
平野虎丸さんが言うように林野庁を解体して、ついでの県の旧林務関係も解体すれば、地元で森のために使える金がふんだんに出てくるのにね。森林組合さんの職員の給与も上がるし。


日本政府の森林偽装
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機中映画

外見や貨幣の量で価値判断が行われる時代を生きている。
心の美しさという当たり前の基準が見失われている。
賢く生きることが善ではなく、善く生きることが善なのである。
つかじ演じる食堂の親父が実に良い、飯は大勢で食べるから、より
旨く食せる。そして善人を取り巻く友人達。
中身の時代なんですよ。まあいつの時代もそうですが。
変身願望はいつの時代もあるのでしょうが、人の美しさは
結局心の美しさが顔に出るのです。それは化粧や身なりでは
どうにも出来ないのです。

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