おやじのぼやき

日々おやじが思う事。。。。。

2009年02月

メイドさん、ドライバーさん

10年ほど前に家族で西アフリカに2年ほど住んでおりました。
子供の通学やおいらの勤務のためにドライバーを雇っておりました。
そのドライバーが嫁をメイドに雇ってくれないかというので
彼の働きもしっかりしていたので嫁さんをメイドさんとして雇用しました。
日本人や欧米人の家で働いたことのあるメイドさんは、しっかり料理などを
出来るとわけですが、彼女は初めてのメイドとしてのお仕事なので
嫁が何から何まで教えた様です。帰る頃にはいろいろと出来るように
なりましたが、彼女を引き付いてくれる家が見つからず、その後どうなったのか心配しておりました。

数年後に短期間仕事でまたその国を訪れた際、偶然にマーケットで合ったので、うまいものでも食べてくれって感じで数十ドルほどあげました。

その数日後、また偶然にバイクに二人乗りしている夫婦に合いました。
なんと、俺に会った記念に壁掛けの時計をマーケットで買ってきたといいます。思わず目頭が。。。。

昨年、この夫婦の消息を尋ねたのですが誰も知らず、心配しておりました。
今回、知り合いが電話番号を調べてくれていて、今は、地方に住んでいるとの事でした。ドライバーは足が調子が悪く仕事を辞め、嫁さんは小さな店をやっているとの事でした。
たまたま早朝から地方出張で職場を開けていた時に、嫁さんが職場を訪ねて来てくれていて、そうとも知らないおいらは、夜の8時過ぎに職場に戻りました。
そしたら門番の所に彼女がいるではありませんか。朝から待っていたとの事。
おいらも大分疲れていたので、少しお金を渡し、その日はどこかに宿泊してもらい、明日の朝にまた来てと告げました。

そして翌日、嫁から預かっていたピアスを無事に彼女にあげる事ができました。嫁とメイドとの10年ぶりの約束が果たせたわけでありました。

義理と人情、世界共通なのであります。

きょうの大人買い

すべて小池真理子様で決めてみました(笑)
オランダ方面から茶々が入らないことを期待しつつ。

[中古]うわさ (9784334726959)  105円  1個
[中古]欲望 (9784101440149)  105円  1個
[中古]female (9784101440194)  105円  1個
[中古]ゆがんだ闇 (9784041880043)  105円  1個
[中古]墓地を見おろす家 (9784041494110)  158円  1個
[中古]蜜月 (9784101440156)  158円  1個
[中古]妻の女友達 (9784087483307)  158円  1個
[中古]蔵の中 (9784396328061)  210円  1個
[中古]唐沢家の四本の百合 (9784198915520)  210円  1個
[中古]殺意の爪 (9784334717124)  210円  1個
[中古]With you (9784344406773)  210円  1個
[中古]悪の愛情論 (9784041494042)  210円  1個
[中古]浪漫的恋愛 (9784101440170)  210円  1個

やっぱり記者さんの資質だな

肝疾患の相談員養成
こちらの記事の方が明らかに正しい。どうして同じ記者発表のはずが違う記事になるのだろうね。

ただ、問題の本質は、なぜ山梨県においてC型肝炎の感染率が高いかでしょう。

違うんじゃね?

肝炎感染防止へ指導員 : 山梨 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
感染防止じゃなくて、感染している方をいかに早く発見して治療に導くかじゃないの?あるいは治療を効率的に行うためのアドバイスや経済的サポートでしょう。
だってほとんど医原病なんだから。
感染防止は輸血のスクリーニングはほぼ完璧だし、性感染の可能性はあるけどそれほど高くないから、指導員なんているのかな?
それとも記事を書いた記者さんが問題?

ブッダは、なぜ子を捨てたか 山折哲雄 集英社新書 2006


ブッダは、なぜ家を出たのか
ブッダは、なぜ子を捨てたか
ブッダの思想の真髄とは、どうのようなものであったか
ブッダの教えは、日本へどのように広まったか
ブッダは今、どこにいるのか

自分にとって宗教はほとんど興味がない分野である。そして無宗教だと思いこんでいる。
しかし、おそらく体の奥底には仏教的思想や哲学がいくらかはあるのだとも思っている。
養老孟司さんが、以前、無宗教の「無」は仏教からでしょう、とどこかに書かれていた。
そんな文脈で山折さんの本を何冊か読んできて、「仏教って何?」という単純な疑問が起こってきた。
本書は本来インドで興った仏教が日本へ伝来する過程(前5世紀と後6世紀の千年の隔たり)で、そして伝来後にその姿を大きく変えながら日本へ土着した歴史をひも解いている。
そして山折さんが本書を書かなければいけない理由として、本邦における人口統計で2005年に初めて死亡者数が出生者数を上回り、死のイメージが生のイメージの上位に進出したと。
そして、いよいよ「親捨て子捨ての時代」がやってきたと感じると書く。
うまくまとめれそうもないので備忘録的にキーワードを記載しておきたい。
シッダールターシャカーブッダ 子供の名前ラーフラ(悪魔)脱血縁の思想
四住期ー学生期、家住期、林住期、遊行期(遁世期)
ブッダの悟りー「四諦八正道」と「縁起」、日本の平均的仏教理解ー「無常感」「浄土希求」
葬式における3つの機能 別れ、悲しみ、送る。本質と離れて形式化した葬式
仏教の基本経典 三蔵(大蔵経)−経、律、論 その精髄、本質ーー般若心経
日本型無私の仏教ー先祖崇拝、遺骨信仰

本書では「穢れ」についての話は出てこないが、鹿の皮を身にまとった皮(革)上人(皮聖)の話は出てくる。是非とも仏教における「穢れ」の本質を山折さんに教えてもらいたい(もしかするとすでにどこかに書かれている?)。

「足ることを知り、わずかの食物で暮らし、雑務少なく、生活もまた簡素であり、諸々の感官が静まり、聡明で、高ぶることなく、諸々の(ひとの)家で貪ることがない。」
スッタニバータ・1−144中村元訳「ブッダのことば」
「ひとり座し、ひとり臥し、ひとり歩み、なおざりになることなく、わが身をととのえて、林のなかでひとり楽しめ」
ダマパダ・21−305中村元訳「ブッダの真理のことば 感興のこば」

この文章で本書を閉じている。


続・日本の歴史をよみなおす 筑摩書房 1996

Searching for New Perspective of Japanese History.

1.日本の社会は農業社会か
2.海からみた日本列島
3.荘園・公領の世界
4.悪党・海賊と商人・金融業者
5.日本の社会を考え直す

前著ど同様に網野さんが筑摩書房で1993−1994にかけて4回にわたり講演した内容。網野さんの当時(神奈川短期大学を退職し、特任教授として在職)の大きな疑問は「日本人自身が自らの歴史と社会とはたして正確にとれえているのか?」というものであろう。
そしてこれまでの常識とされた歴史が実は思い込みのものが数々あることが明らかとなってくる。
これは網野さんがしばしば指摘する「百姓は農民のみにあらず」で明らかだろう。
宮本常一ですら誤解していたのだから、いかにこの常識が浸透していたか明らかである。
また網野さん自身も10年前の著作に百姓は農民と解して良いと記載したことがあると告白している。そして「村」というものの中には都市も含まれているし、水呑みと言われる人々の中には実は大金持ちがいたりすることを古文書から導く。
そして、山陰あるいは裏日本と呼ばれる地域が実は古くから大陸との関係を持ち独自の文化や歴史を作ってきたことを指摘する。
日本という国、あるいは日本人という本質を考える時、そこに実は多元で多様な人々が蜂の巣の様にあるいは網の目の様に交流し現在に繋がっているということを歴史を読み直す事で再確認できるのだろう。

続・日本の歴史をよみなおす (ちくまプリマーブックス)
続・日本の歴史をよみなおす (ちくまプリマーブックス)
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北部

出張で北部の町へ1時間ほどのフライト

昔とくらべて自転車とバイクがかなり増えています。
スーパーカブやそれに似せた中国?のバイクに親子4人(前から子供、おやじ運転、こども、奥さん)なんて姿を見ると、もう嬉しくなってしまいます。
自分がガキの頃、おやじのバイクの後ろが僕の特等席で、すごく誇らしかったことだろう。
そんなガキの頃を思い出しました。

経済的には貧しいと言われている地域ですが、決してお金の量で測れない尺度が存在するのです。

朝夕に頭の上に水バケツを乗せて歩く女性や子供をみて、確かに重労働でしょうが、おしゃべりしながら楽しそうにも見えるのも事実です。
便利さだけを追及する人々より光ってみえるんです。

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カシューナッツの木

おうおうにして、原料をしらなかったりします。
肉はパックに入っているものであり、動物を殺して、刻んでいることを。

さて、ビールのつまみとして最適なカシューナッツですが
これがその木だそうです。

赤い実がもっと大きくなって、その種を食べるわけですね。

知らないことだらけの馬鹿おやじなのである。

でもビールのうまさはよく知っていたりする。

natu

池田晶子命日

光陰矢のごとし。

今、あなたはどこにいて何を考えているのでしょう?

きっと100年に一度の金融危機などという世の中をせせら笑いながら
考える快楽に浸かっているのでしょうね。

知ることより考えること
食うために生きるのでなく、生きるために食う。

未だに貴女の本をすべて読んだ訳ではないのですが、
死ぬまで読み続けたいと思います。

おっと、死などというものは、どうでもよいのですね。

芦澤さんの本

アマゾンには本の画像がないので。

こんな本です、もし見つけたら読んでみてください。

芦澤さんのようなフライフィッシャーにはなれないと思うけど
努力はしようと思う。

そして鱒が渓流で跳ねたのを見て、心が温まるような生涯でありたい。
そう、フライロッドを持っただけで、投射(キャスティング)しなくて
よいのである。

アービング

清貧の生きかた 中野孝次編 ちくま文庫 1997

初版は1993年筑摩書房
清貧の思想の中野さんが、清貧の理解が不十分な人々がいることに対して多くの先人を例にとり清貧の本質を説明する。

内面への旅ー俗を離れて
自然との共生
古典に学ぶー清貧の系譜
清貧に生きる

個人的には自然との共生の項で高橋延清(どろ亀さん)、今西錦司、山尾三省が登場し、古典に学ぶでは、鴨長明、吉田兼好が登場、清貧に生きるでは鈴木大拙が出てくるのが興味深かった。
まさに欲望を押さえて、あるいは欲望を忘れて生きられるような人間の到達点がきっとあるのだろう。
足るを知り、自然との共生共死という文脈の中で、生かされている自分を
感じながら歩いていきたいものだ。
最後の解説で松下竜一が締めくくる。
中野氏が掲げてみせる「清貧の生き方」がこの国本来の文化的伝統として清冽な流れをなしているのだとすれば、凡俗の私はせめて片足をその流れに浸して、魂を浄められていたいと願うのだ。

ガーナの片田舎で電気がなくても賑やかな夕暮れの共同体で老若男女の語らいが自分の遠い昔の記憶を呼び覚ました様である。2009年2月ガーナにて。

清貧の生きかた (ちくま文庫)
清貧の生きかた (ちくま文庫)
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武蔵高校

何人か知り合いがこちらの高校のご出身なのであるが、
山梨が生んだ根津嘉一郎(根津財閥)が創立したとは知りませんでした。

jsさん知ってました?

網野史学 ここに開花せり

古文書が語る山村の活力 : 山梨 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
白水さん達の地道なお仕事が網野史学を一層強固のものにしているのでしょう。百姓は農民のみにあらず、水呑は必ずしも貧乏ではない、などの網野さんの古文書に裏打ちされる業績が若い研究者に受け継がれている。
山にすみ人々が、実は広く日本中と交流していた事がますます明らかになる。
そう、もう甲斐の山猿などという言葉は適切でないのである(笑)
だって、日本中を行き来するサルなどいないのだから。
あえて言えば甲斐の渡り鳥?(笑)



知られざる日本―山村の語る歴史世界 (NHKブックス)
知られざる日本―山村の語る歴史世界 (NHKブックス)
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被差別部落一千年史 高橋貞樹 沖浦和光校注 岩波文庫 1992(原著1924)

高橋貞樹 1905年(明治38年)大分生まれ 1929年政治犯として逮捕(懲役15年求刑)、1935年獄中にて結核悪化のため刑の免除、その後死亡 享年30歳

本書は高橋19歳の時の原著(発禁、その後改訂版 少なくとも1年以内に8000部が出版)を沖浦氏が校注し、あとがきで高橋の業績を高く評価している。
高橋は同書発行の3か月後には「世界の資本主義戦」を書き下ろしているという。
さて本書であるが、人間が人間を差別する歴史を差別される側と差別する側に立って多数の史料を用いて綴っている。「穢れ」の思想は間違いなく仏教の影響であり、ある一部の人々が解放令(明治4年)の後も言われなき理由で差別あるいは虐待されてきた。そして高橋が水平運動に関わり、真の人間解放を求める戦いの書でもある。
残念なが高橋の死後も差別問題は続き、その一部は朝日新聞の若宮啓文が若かりし頃世に出した「ルポ 現代の被差別部落」でも明らかである。
また部落問題は民俗学分野では柳田國男や宮本常一が取りあげているし、歴史学の網野善彦も大きな問題として(彼の出身地では部落問題はほぼないと言ってよく、そのために大きな興味となった)取り上げている。

「職業に貴賎なし」というあたりまえの事を貫くためには教育しかないのだろう。



被差別部落一千年史 (岩波文庫)
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あるある 恣意的な削除

asahi.com(朝日新聞社):アマゾン、消された書評 著者・水村さん「公正さ疑う」 - 社会
前からありますよ。高評価も、低評価もなぜか削除されるのですよ。
武田本とか池田本、山本本とかね。
ちなみに養老本とか茂木本は星ひとつでもまず削除されません。やはり売れる数が違いすぎるのかな?
なので、アマゾンの書評は注意してみないと間違った評価をしてしまいます。特にカスタマーレビューの少ない人(1回とか2回とかの人)が沢山評価している本は、まず提灯だと思ったほうがよろしいかと。
今回の水村さんの指摘でアマゾンも思い腰を上げればよいのですがね。

アーヴィングを読んだ日 芦澤一洋 小沢書店 1994

芦澤一洋(1938−1996)山梨県鰍沢町生まれ 早稲田大学卒

ナチュラリストそしてフライフィッシャーとして有名な芦澤さんのまさに核の部分となる
大学入学までの山梨での生活も垣間見れる。
ワシントン・アーヴィング「ザ・スケッチ・ブック・オブ・ジェフリー・クレイオン・ジェンツ」との出会いから話が始まる。
そして目次にあるような人々の著作や生き方を通して芦澤一洋という一人の男が出来上がったのだろう。
彼は書く。
確かに私にも、”いま・ここ”だけが実在のものだという認識はある。とはいえ、未来はいざ知らず、過去は、自分にとって、決して役立たずのものではないように思えるのだ。
あるいはそれは、私が五十歳代の半ばという年齢に達したことと無関係ではないのかもしれない。
今、私は過去を振り返ることに後ろめたさを覚えなくなっているのだから。
中略(芦澤さんの戦争体験、学生運動、ソローの著作等との出会い)
物質的利益の追求とは縁切りして簡素に生きようとするライフスタイルに私はますます心を惹かれていった。
自然の庇護のもとでの、慎ましやかな、また本質的な生活。軽く、巧みに、そして美的に生きること、それが私の願いになっていた。
三つの変革を通過した後、気がついたら私は、右の手に鱒を釣るためのフライロッドを握って川を歩いていたのだった。

目次 
アーヴィングを読んだ日
幻の桃源郷ー宮崎湖処子
四尾連湖の静寂ー野澤一
薬研の午後ー大町桂月
遠野に吹く風ー水野葉舟
鰍沢の青にー秋山秋紅蓼
山と星と雲とー野尻抱影
西茂住の思いー小島烏水
十三歳の富士ー吉田紘二郎
多摩川の水辺でー中村星湖
あとがき


明治45年当時の甲府中学の校長は大島正健(札幌農学校一期生、クラーク博士の直弟子、二期生には内村鑑三)
この大島正健は大島正満の父である。内村鑑三は実は魚類学者でもある。
正満は知る人ぞ知る魚類学の大家であり、ミヤベイワナ、本州のイワナ、サクラマスなどの学名にOHSHIMAの名が入っていることは有名である。そして野尻抱影の一番の親友なのだと。
ちなみに甲府一高にあるBoys be ambicious の額は石橋湛山が毛筆で書いたのだそうだ。
野尻抱影は大島校長の時代の甲府中学教師(5年間甲府に住)、そして石橋湛山、中村星湖は甲府中学出身である。

西茂住の思い、の中で芦澤さんは書く
双六谷の水は今でも十分神秘的だ。秘密がたっぷり詰め込まれて感じがする。初めてこの水に出会った時、私は決意を固めたものだった。私の釣り道具は先ずこの水に清められねばならないと。世の中のには美しい水というものが確かに存在するのだ。
大正3年7月28日から8月10日にかけて双六谷遡行の旅を経験した烏水が、「双六谷の水の美」文中に言う。
「高原川の浄明な、美しい水へと突っかけて来る双六谷の、その又水の麗しいことと言ったら、只だもう青い火である。私はそれを液体と言いたくない、たとい氷のように冷たくても、それは焰である。紫の山や、黒い森から、飛んでめらめらと岩石を燃えつくす一団の青い火である。この色が、この精力が、この音響が、この暗示が、深遠を閃めかす青い火でなくて何であろう。・・・・とろりと青く澄んでいる
深潭を見つめていると、あまりに透明に青澄んでいるので、ぐらぐらと眩暈がして後髪を引き倒されそうになる」

多摩川の水辺で、の中で芦澤さんは書く
やがて私はもうひとつの別の電車は見ている自分に気がついた。甲府の中学、高校に通学していた少年の日の身延線、三輛編成の小豆色の電車。春霞の盆地を走る車両の一角に、高校入試一年前、家出した。私が座っていた。
私は改めて感傷の渦に呑み込まれた。
鰍沢中学の三年生、十四歳。親しかった友の何人かはすでに、甲府一高への進学を目指して甲府市の学区内に籍を移し、それぞれ市内の中学へ通っていた。取り残された私は、自分の未来に漠とした不安を覚えつつ、定まらない気分のなかに春の盛りの日日をすごしていた。

僕はこんな先輩が持てて本当に幸せである。
そしてフライフィッシングをしながら芦澤さんの歩いた渓をたどりたいと思う。



アーヴィングを読んだ日―水と空の文学誌
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日本の森林 四手井綱英 中公新書 1974初版 1999復刻版

副題:国有林を荒廃させるもの

四手井綱英(1911− )京大林科卒、京大教授、京都府立大教授

今日から見れば35年前の書である。そしてその内容は四手井さんが、50年代から70年代にかけて雑誌等に投稿した文章なのである。
副題は国有林とあるが、当然であるが県有林やいわゆる公有林すべてが対象と言ってよい。
いかに日本の森林が林業という経済活動の一部とみなされ、貨幣で評価されてきたか、さらにいかに間違った行政やアカデミックの関与により日本の森林が荒れ果てたかを当時の状況を科学的、社会的に分析している。
そしてその指摘がいかに正しかったかは、本書が復刻されて読み継がれていることからも明らかである。
四手井さんは山好きが高じて林学を専攻し、さらに営林局勤務等を通して森に接してきた。そして林野庁が技術者の手に委ねられた昭和20年以降、どれほど国有林が良くなったかと問う。
目次
日本の森林と林業の現状
造林技術のあり方
続・造林技術のあり方
いいたいことをいわせてもらおう
森林生態学の歩み
生産力増強と短期育成
亜寒帯の森林生産力
広葉樹林について
秋田の天然スギ
木曽谷のヒノキ
裏木曽・飛騨視察記
九州の照葉樹林
自然開発・自然保護・林業

最後まで読んでなるほど、なるほどと頭を上下にして日本の森の今後を憂いてみるのは簡単である。
そこでふと脳裏をかすめるのは、どうして四手井さんがここまで科学的に解析し報告しながら国の方針が良い方向に変わらないのだろう?民有林の経営者の中には立派に美林を代々受け継ぎ林業として成り立たせている方もいる。
技術者とは名ばかりの行政官や現場を知らない御用研究者が好き勝手に机の上で絵を書いていたのかもしれない。
今また森林環境税だとか地球温暖化対策という隠れ蓑で日本の森は経済活動の一部に入れられようとしている。
子孫に美田を残さずは納得するが、子孫に日本の素晴らしい森林を残せない我々は歴史の中で笑い者になるだけでなく、その責任を後世まで残してしまうのだろう。

日本の森林―国有林を荒廃させるもの (中公新書)
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わかっていらっしゃる方がいて安心しました

森林環境税、県の方針に異論相次ぐ
当り前の事が分かる人がいてよかったよかった。子供みたく、みんなが持っているから僕も欲しいという感じでしょうか。行政本体をスリムにして無駄を省き、それから税の議論でしょう。もちろん国も地方も同じです。
これからの世界を見れば、山梨の資産は森林でしょう。
これ以上人工林はいらないのですよ。
森は木材だけが銭を生むのではないですよ。
もちろん美林と言われる森にも人は来ますが、虫や鳥が沢山いる森に人は集まるのです。

温暖化と人工林

どうしても、これまでの行政のつけを温暖化とか森林環境税とかで隠れて処分したいようである。
人工林に勝手にしておいて、手入れをせず、単に木材価格の下落のせいにしてすませてきたわけである。しかし、その間もしっかり林道整備に金を落とし何か林業をしてきたのだろうか?

この記事も解説は的を得ているようにみえるが人工林間伐の温暖化効果を真に受けているようだ。要は人間が消費を抑えるしかないんじゃないの?

間伐に関するエネルギー消費とCO2も当然計算しているんでしょうね。

自然災害の恐れの少ないところは間伐放置でよいとの意見もある。
まさに四手井さん(もう高齢で来てくれないよな)、石城さんのパブコメがあれば良いのにと思う。
どうせ出来レースで温暖化を蓑に間伐するんだろうから。
どうして県の大部分を占める森林を林業という成り立たない(少なくとも行政が関与するかぎり)「業」としてだけ捉えるのだろう。
森林という自然をもっと県民にため国民のため手入れしないのだろう。

以下記事

温室効果ガス:12年度、15.9%減目標−−県が温暖化対策計画素案 /山梨

 県は12日、地球温暖化対策条例に基づく温室効果ガスの削減目標を盛り込んだ実行計画の素案を発表した。2012年度に二酸化炭素を中心とした温室効果ガスの15・9%減を目標に掲げた。国の目標の約2・5倍に当たる。素案は県民の意見を公募した後、3月中に正式に実行計画として策定される。

 日本は05年2月に発効した京都議定書で、12年度までに温室効果ガスを基準年の90年に比べて6%削減することを義務付けられている。山梨は県土の約80%を森林が占めており、人工林11万ヘクタールを間伐などで整備することによって二酸化炭素を吸収できると換算し、国を上回る15・9%を削減目標に掲げた。

 そのほか、太陽光発電やバイオマスエネルギーの利用促進、事業者に二酸化炭素排出抑制状況の報告を義務づける制度により、12年度の温室効果ガス排出量を計約122万トン削減する考え。

 また、山梨は交通手段を車に依存する傾向が強いため、運輸部門(38・6%)の二酸化炭素排出量は全国平均の1・5倍で、産業部門よりも多い。素案には、自転車活用の呼びかけや、コミュニティーバスなどへの支援が盛り込まれた。

 今後は05年度を新たに基準年とし、20年度までに温室効果ガスを36・4%削減し、50年度には排出量と森林による吸収量が完全に相殺されることを目指す。【沢田勇】

==============

 ■解説
 ◇企業・市民、どう導くか

 甲府地方気象台によると、甲府市の年間平均気温は1895年から100年間で2度上昇するなど、県内でも地球温暖化対策は待ったなしの状態だ。

 森林による二酸化炭素吸収や太陽光発電の活用などが目標達成には欠かせないのは事実だが、課題は企業や市民の側の排出をいかに抑制するかだ。

 企業や市民に排出量の抑制を求めれば、経営やライフスタイルに少なからず影響が及ぶ。削減目標を提示し、排出者の自主性に任せるだけで計画に実効性を持たせることができるのか、素案からは読み取れない。

 計画が机上の空論とならないよう、県がリーダーシップを発揮することが求められている。【沢田勇】

頑張れ、魚博士!

小型魚道:遡上、降下に成果 県水産技術センター内水面試験場が研究 /神奈川(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
以前、勝呂さんに場内を見せていただいたことがある。魚にかける愛情をひしひしと感じた。川や森を仕事として壊す公務員が多い中、地道に研究を続け、魚たちのため(それは人類のためでもあるのだが)に居ることに安心する。こんな素晴らしい職員のいらっしゃる事が本当にうれしいのである。

カカオからできるもの

カカオからチョコレートだけが出来るわけではないのでした。
お酒、クリーム(チョコの匂いがしました)、石鹸、種を発酵させないで化粧品のためのヨーロッパに送っているとも言ってました。
奥が深いんですね。
以前読んだ本の内容を思い出しながらの見学でした。

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ガースポ

品のよいおいらは投稿をはばかるのであるが(笑)
ある種この手の新聞は民意の自由度を表していると思うのである。
同僚に聞いたところ女性が買うこともあるとの事。
内容は出会い系、エロ小説、人生相談などなどである。

さすがに某国のおやじの様にヌード写真を平気で電車やバスの中で
見たりしない。

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カカオの研究所

カカオと言えばチョコレートなのである。
つい1週間ほど前にも○ッテの方が見えたという。
広報の方の丁寧な説明を受け、研究所の歴史や現在の状況をきかせていただいた。
ついへそ曲がりなもので、きつい質問をいくつかしてみた。
児童労働により成り立つプランテーションがあり、そこで働く子供はチョコレートの存在すら知らないという本があるが、それ知ってます?
「それはガーナではなくてアイボリーコーストですね」確かにそうですね。

自国でカカオ価格を調整できなく、いわゆるカカオマフィア?が価格決定することはどう?
「良いものを作り、国際マーケットで挑戦する、またカカオからの副産物としての商品も開発し販売している」 なるほど。

現在外国からの研究者はいないとの事。
是非とも頑張ってもらいたい。



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H国独立論

とあるメルマガのコラムである。
なかなか示唆に富んでいる。
ただ、考察が足らないところもあると思う。そして内田樹と養老さんの対談の結論は最後に書いておこう。


コラム『H国経済概況』
───────────────────────────────────

H国はアジアの小国である。

国土面積が約8万平方キロ、人口は560万人である。うち約190万人は首都S市に集中している。世界で、国土面積と人口規模の両方がこのH国と同じくらいというと、例えば、ヨルダン・トーゴ・クロアチア・アイルランドなどの国々である。

第二次大戦後から、“旧宗主国”のN国による指導のもと、累次に渡る“国家開発計画”を策定するとともに、その実施についてもN国からの莫大な額の“ODA”に依存してきた。その規模は円換算で一時は1兆円にも達したが、近年はN国の財政状況も反映し減少の一途をたどっている。とはいえ、N国は2008年度もH国一国向けだけで6100億円のODA予算を組んだ(なお、H国もN国も会計年度はわが国と同じ)。

例えば、わが国の今年度ODA一般会計予算総額は約7000億円だが、これが全部、ヨルダンやトーゴのような人口500万の小国ひとつに集中しているという事態を想像すれば、N国のH国に対するコミットメントが並々ならぬものであることが伺えるだろう。

国家計画「H国総合開発計画」を読むと、「自立的安定経済の実現」とか「持続可能な地域社会の形成」といった文言が並んでおり、N国によるH国支援のコンセプトも、わが国のODA政策に共通するものが多いことが理解できる。

しかし、N国がこれほどの支援を数十年間以上も継続してきたにもかかわらず、H国の経済は依然低迷したままである。むしろ悪化しているというのが現実だろう。首都中心部はともかく、一端地方に入ると、“ODA”案件と思われるやたら幅広の道路や砂防ダムが目に付く。その割りには村々には活気がなく、職を求めて国を捨て、N国に移住してしまう若者も多いのである。

N国が実際のところドラフトしているH国の国家計画には「自主性を促す」という言葉が頻出する。N国にも“援助疲れ”が出ているらしい。しかし、N国が支援額を10パーセント削減すると、H国では2万人が職を失うと言われ、なかなか手を引けないまま、それでいて明るい展望も開けない状態が続いているのである。

 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※※

 ご想像のとおり、「H国」とは北海道であり、「N国」は日本だ。北海道開発予算とODA一般会計予算は、ピーク時も減少時もほぼ同額で推移している。また、今の北海道経済の状況は、「Dependency Theory」の紛れもない見本であると思えるし、北海道開発事業とODA事業のある種の相似にも非常に興味深いものがある。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※※
コラムここまで。

実は北海道は食料自給率が100%をゆうに超えているのである。
そう、餓えないのである、当座は。
そこで内田・養老は北海道独立論を提唱した。
なかなか面白い。
観光と食糧を外交カードにして、日本国のODAを有効に使えばよろしいのである。
この文脈とは別であるが内田さんは、廃藩置県による近代化の弊害を廃県置藩により小さい単位の共同体の重要性を指摘いましたね。
そうすれば、なんでもかんでもお上の性にする寄りかかり民主主義も改善するのでしょう。

アーヴィングを読んだ日 芦沢一洋 小沢書店 1994年

どうしてもっと早く読まなかったのだ。
本棚にずっとあったではないか。

芦沢さんが母校にいたことも書かれているではないか。
鰍沢中学の思い出も書かれているではないか。
双六谷の青さも書かれているではないか。

そして、釣りに関する文章より、まさに文学への傾斜なのだ。紀行文、山岳考、俳句等々。

鳥肌が立ち続ける本書である。芦沢ワールドの広がりは計り知れず。

本書のご紹介はまた後日。
フライフィッシャーは文学者、あるいは文化人であるべきであると芦沢先輩に教えられた。


アーヴィングを読んだ日―水と空の文学誌
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パームワイン完結

味見して、その後、購入です。
ミネラルウォーターのペットボトルに詰めます。
1本100円ちょっとです。
蓋を強くしめてしまうと、とんでもないことが起こります。
発酵が進むわけですね。
おいらは発酵進んだ方が好きです。
同僚は朝どれの発酵が進んでない方が好きださそうです。

パームの木はパームの実から油を取り、最後にパームの木に切れ目を入れて樹の水分をかめに貯めて、自然発酵だそうです。

自然が恵んでくれる飲み物です。
購入

物主

アエラか何かの中で姜さんがブッシュ元大統領はまさに「物主」だと
書いていた。
まさにそのとおりと思ったわけである。
市場経済という文脈では消費こそが正しいモラルなのである。
物を貨幣という媒体でやり取りする時代が物々交換の後にきたのだろう。
そして、今は物すら動かないで買った売ったのストックマーケット化している。

まさに今の日本の森林のようである。森は自然でなく物なのである。
森を見て、そこに自然を捉えるのでなく、木材としての価値だけを見ようとする国、県、そして林家を四手井さんは1950年代にすでに指摘している。そこには頭の丈夫でないアカデミックと行政が好き勝手に森を痛めつけた歴史が綿々と書き連ねれている。
国有林や県有林を好き放題に荒しておきながら、森林保護という詭弁で失敗した林業を新たな税金でいじくりまわそうとしているのである。
内山節さんも書いているが、農業の様な短期的トライアンドエラーによる商売(業)が木材生産(これを林業と呼ぶかどうか別にして)とパラレルの関係にあるとは決して言えないのだ。
少なくともこの様な失敗(学者の思い込みによる、あるいは科学が自然を管理できるという認識)が分かって、林学科なる講座が激減し森林生態などの分野が広がりを見せているのである。

一部の森林組合や林業を専業とする林家が美林と言われる森を手入れしながら「業」として成り立っている事実が若干の救いであろう。

四手井さんの本の紹介はまた今度。(復刻するわけです、50−60年代の指摘がほぼすべて的を得ていることが現在証明されるのだから)

パームワイン2

目印を見つけたあとは味見です。
気に入れば購入です。
なんとも言えないサワーでフレッシュなのであります。
発酵しだしていますが、アルコール分はほとんどこの時点ではないでしょう。

味見

パームワイン1

これに目がない。
これが目印です。
郊外に向かう道沿いにあるんですね。

朝が狙いめです。目印

網野さんが泣いている

県立博物館:入場者、減少の一途 常設展、見込みの約半数に /山梨 - 毎日jp(毎日新聞)
網野善彦さんが係わった博物館である。網野さんもこんなデカイ箱が出来るとは思っていなかっただろう。また展示物にかけた費用も半端じゃないらしい。

郷土の歴史を知ることは大切な事である。自慢するためではない、自分の育った郷土がどのような歴史をたどってきたのか、先人の努力がいかに今の郷土を作りだしているかを良い面悪い面含めて考える場所なのだろう。閉ざされた山国だと思っていた甲斐の国が実は全国と行き来があり、多くの水害が実は製糸業のために使う薪の無秩序伐採により起こった事などを知ることが出来る。

網野さんの本を読みつつ、墓の中でお悩みであろう。
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